心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2005年11月20日(日) 仕事

僕の仕事はコンピュータープログラマーでありますが、ではいったい何のプログラムを組んで口に糊しているのかと問われることがあります。若い頃はゲームプログラムを組んだこともありますし、パソコン用のワープロソフトを組んだこともあります。CADのソフトの部品を組んだこともあれば、保育器の温度制御プログラムを組んだこともあります。Windowsのデバイスドライバを組んだこともあれば、モーターを駆動するプログラムを組んだこともあります。
要するに何でも屋であり、何が専門でもないしがないプログラマーであります。
世界で一流と呼ばれるプログラマーはおよそ千人ぐらいだろうと言われています。その下に二流と呼ばれる人がいて、僕はその下の三流ぐらいで、頼るものといえば腕の確かさではなく、経験値の多さである、ちょっと情けないエンジニアであります。

ここのところ十数年は、おもに工場で使われるソフトを組んでいます。日本の(いや最近では中国やマレーシアやフィリピンでも)工場で作られる製品は、厳しい検査を受けます。完成品だけでなく、部品の段階から検査は徹底して行われます。
1個10円の部品を検査して不良だとわかれば、その部品は捨ててしまうわけです。資源的にはもったいないかも知れませんが、まあ経済的には10円であれば致し方ないとも言えます。ところが、組み立て工程が進んで、(部品代と工賃がかかって)千円の部品に成長したときに、それを検査して不良品だとわかっても、やっぱりその部品はたいてい捨てられてしまうわけです。千円の部品を分解して、不良部品を突き止めて、組み立て直し、再度工程に混ぜるということはあまり行われません。そんなことをさせるためには日本人の人件費はあまりに高くなりすぎてしまいました。また海外の工場でも、そこまで工員を教育させてまでしたら、コストメリットがなくなってしまうでしょう。

検査といってもいろいろな手段があります。機械的に長さや重さを量ることもあれば、電気を流して特性をは計る場合もあります。X線で内部にひびが入っていないか見ることもあります。そんななかでもっともポピュラーなのが、人間の目で外観に異常がないか検査するという目視検査があります。
検査のような、単純でありながら注意力が必要で、同じ作業を一日忍耐強くできるというのは、女性に限られるようです。きっと脳みその作りが違うのでしょう。
それにしても、人間でありますから、お昼ご飯を食べれば眠くもなれば、晩ご飯のおかずを考えていれば集中力をなくすはで、何らかのミスがあるのがあたりまえで、不良品が後の工程に流出してしまうということがおこります。
そこでそういうことはコンピューターにやらせようという考えが生まれ、不運にも僕のようなプログラマーがそういう業界に吸い寄せられて来てしまうというわけです。
僕の役目は、CCDカメラで撮影された製品の画像から、良品と不良品を分けるソフトを組むという、きわめて曖昧模糊とした目標を設定されたプログラムを組むことです。

人間の頭脳というのは、(ときどき眠くはなるものの)いかに高度な情報処理をしているかということは、同じことをコンピューターにやらせようと考えるとわかるのであります。

来週の月曜日から製造機械の組み立てを始めるので、貸し出した光学部品を「月曜日午前必着」で返却してほしいという話がきたのが金曜の午前中でした。光学系を返してしまえば、像が写らず仕事にもなりません。つまり、僕の仕事の納期はいきなり金曜の夜までに縮まりました。
まあ文句を言っても始まりますまい。メールの向こうの相手も、電話の向こうの相手も、無茶な開発日程やら、製造日程やらに追いまくられているのですから。

月曜からずっとうつの具合が良くなく、ウコンの力 ウコンエキスドリンクを飲んでがんばってきたのですが、そこへさらに「ショコラBBローヤル」を飲んで、なんとか金曜の夜には仕事を仕上げたのでありました。

その反動か、この土日はほとんど布団で寝ている生活でありました。
いざって時に無理をきかせることで、普段あんまり熱心に仕事をしてない帳尻を合わせているわけなんですが、さすがにそういう仕事スタイルでは身体がついていかなくなっていることを感じるのでありました。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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