心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2005年09月02日(金) 老人相手の商売

義父はだまされやすい人であります。
一時期我が家の水道の蛇口に磁石をつけてまわったことがありました。なんでも、磁石の磁力によって水がイオン化してむにゃむにゃな原理により、「健康になれる」のだそうであります。自分たちの住む母屋の蛇口につけるだけで飽きたらずに、我が家(アパート側)の蛇口にもそれをつけたのであります。
磁石は大きくて邪魔なので、僕が取り去ると「なんで取るんだ。せっかく高い金を出して買ってつけてやったのに」と怒られるので、しかたなくつけておきました。
磁石グッズというのはいろいろあります。車の燃料パイプにつけると燃費が向上するとか。車の世界も(オーディオと同じぐらい)不思議な世界で、ただ銅線をひっぱりまわして「アーシング」など称し、やっぱりこれで燃費が向上するというのであります。もし本当にそうなら、環境対策に政府はアーシングに補助金を出すべきですね。純正品のアーシングキットなるものを発売する自動車メーカーも出始めて、もう何がなんだかわかりません。

そのうち磁石を取っても文句を言われなくなりました。聞いてみると、水道管を掘り起こして、そこに大きな磁石装置をつけたのだそうです。「これで家中の水が磁化されて・・・」。いったい何十万円かかったのやら。

「ひょっとして、シロアリ防止とかいって、床下換気ファンとか付けてないか?」と妻に聞くと、「ついてるよ」という返事でありました。これも年寄り相手の悪名高い商売で、換気ファンの部品代なんて数千円のものにすぎないので、大きな利益のある商売です。

今日は水道屋さんが来ています。以前に埋めた磁石装置のところから漏水しているので、その防止工事だそうです。その水道屋さんがなぜか「雨樋から水が漏れているから交換しよう」と義父に持ちかけています。

だまされやすい年寄りの名簿というのが流通しているそうであります。最初に装置を埋めた時に、わざと漏水するように工事しておいて、期間をおいて別の業者が漏水工事にやってくる・・・。というのは考え過ぎかな。

年寄りになると疑い深くなるものなのでしょうが、なぜかお人好しの義父はだまされてばかりです。まあ、そんな人柄だから、もらった婿がアル中で、新婚早々精神病院に入院してしまっても、追い出さずに置いてくれたのかも知れません。その点には感謝しています。

僕は次男坊だから嫁をもらっても良かった(長男であるより次男である方が縁談は多かった)のですが、自分に家を建てる甲斐性はなさそうなので、家付き娘に婿入りしました。養子にしてもらっているので、相続の権利もあります。
でも、家目当てであって、財産目当てで結婚したわけじゃないので、義父が生活に困らない範囲で何に金を使おうと、変に口を挟むのは止めておこうと思うのでありました。

まあ、世の中「変えられないもの」はたくさんあるのさ。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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