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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2005年07月23日(土) 年齢と見かけ もともと実年齢よりだいぶ若く見られるほうでした。
20代の頃は大学生と間違われることはしょっちゅうでしたし、31才で運転免許証を取りに自動車学校に通っていた時も教官に大学生だと思われ、「学生のくせに毎日酒臭い息をしやがって」と言われたりしていました。
女性は特にそうかもしれないですが、男性でも老けてみられるよりは、実年齢よりも若く見られるほうがうれしいものであります。前の会社でも「年齢不詳」と呼ばれていました。
しかし、仕事の面では若く見られることは決して得なことばかりとは限りません。若僧と思われることは、経験不足を連想させるのでしょうか、同じことを年かさの人が言えば納得してもらえるのに、僕が言うと「生意気なことを言いやがって」という顔をされることも珍しくありませんでした。
それでも仕事で他の会社の人と会うのが、技術的な打ち合わせにとどまっているうちはたいした問題ではありませんでした。
営業の仕事も任されるようになると、若く見られるということのデメリットも増えてくるようになりました。会社の社長も気にしてくれていて、課長などという肩書きを割り振ってくれたりもしましたが、中間管理職としてのストレスが増えただけだったように思います。
昨年の8月、今の会社に雇われるために、前の会社にいた4人そろって面接を受けた時でした。「皆さんお若いから」という言葉から、年齢の話になり、「何才なんですか?」という質問に対して、「何才に見えますか?」という切り返しをしました。前頭葉が発達しているかわりに額も広い僕の同級生が一番年かさに見られ、次がかわいそうに20代の若者、その次が僕で、僕より2才若い美男子がもっとも若く見られるという順番でした。
比較的若いスタッフを雇おうとしていた先方にとって、4人のうち3人が40代というのは、大きな誤算だったようですが、縁談と同じで動き出した話は途中ではなかなか止まらずに、そのまま雇われることになりました。
4月だったかに愛宕山でスポンシーと直接合った時に、(同じぐらいの年齢なのに)「僕のほうが若く見えますね」と言われ、はっきり言って僕は気を悪くしました。しかし、実際に彼のほうが僕より若々しく見えるのも事実でありました。事実は認めざるを得ません。
先週復職した際に、隣の席のヤツから「老けたね」と言われました。前の会社の時代は年齢不祥だったけど、今は年相応に見えると言われました。
久しぶりに鏡を入手して、自分の顔を眺めながら考えました。「何でなんだろう」。目尻にしわはまだないけれど、シミそばかすは確実に増えています。
思い出したことがあります。学生時代の友人で、吉野家で大盛りを2杯食うようなヤツがいました。僕は飲み助でしたが、彼は食い道楽でした。社会人になって体重80Kgを超えていた彼が、あれよあれよという間に50数Kgまで痩せてしまったことがありました。彼の減量方法は単純で、野菜をたくさん食べることでした。久しぶりに大学で会って、学生食堂で昼食を食うときにも、彼はキャベツの千切りを大盛りにしてもらって、まずそれを全部平らげてから、他のおかずや飯を食べるのでした。急速に痩せたせいか、野菜に偏った食生活のせいか、彼の顔色はあんまり良くなくて、一気に10才も老けたように感じました。
男でも女でも太ると若く見えるようになる気がします。「女性は痩せると美しくなる」という幻想が(男にも女にも)あります。久しぶりに会った女性が若々しく見えるようになったので、「痩せましたか?」と聞いてみると、実は太ったのだという答えが返ってくることがあります。
考えてみると、過食気味で増えた僕の体重は、休職してから減る一方です。半年で6キロほど痩せました。願わくばあと6キロほど痩せると、元のズボンがはけるようになるので嬉しいのですが、まあ贅沢は言いません。
痩せると老けるのかなぁと思ったのが一点。それと以前はセルロイドのフレームの眼鏡をかけていたのですが、我が子たちの強い要望があって銀縁眼鏡に換えたのも原因かも知れません。
望んでいたはずなのに、実年齢と同じように見られるような容姿を手に入れて、実はあんまりうれしくないのであります。
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