心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2004年04月14日(水) 正直と馬鹿正直

先日のことですが、ホームグループのミーティング会場を借りている公民館の隣の村役場から電話がかかってきました。もちろん勤務中の電話が歓迎であるはずもないのですが、これも7章に書かれている12番目のステップの一部だと思って諦めるようにしています。ステップのなかで自分に都合の良いところだけを受け入れていれば楽なのでしょうが、どうもそれでは前進しないようなのです。

先月、公民館の利用料減免申請書を提出したのですが、それには団体の名簿をつけなくてはいけませんでした。そんなものは作りようがないので僕の住所と名前だけを書いて、あとは会の規約上名簿を作成も公開もできませんと書いておきました。ところが、それでは規則上よろしくないというのです。
AAのことを紹介するパンフレットを同時に出しておいたので、こちらの事情もある程度分かっている様子でした。こちらも無理を通そうとは思いませんから、「減免は通らなくても、公民館さえ使わせてもらえれば、有料になってもかまわないのですが」と言ってみたものの、それでも納得していただけません。

「村の在住者が5人以上参加している必要があるのです」と言われました。
昨年はそんなことは言われなかったのですが、規則は変わるものだし文句を言ってみても仕方ありません。
「村の在住者もいるとは思いますが、こちらとしては確かめようもありません」
そう、人口7千人の村に5人もAAメンバーがいるわけがありません。
「口頭でかまいませんので、5人以上いると言っていただけると、私も上司に説明しやすいのですが・・・」

僕は一瞬躊躇しました。「はい」と言えば、それはおそらくは嘘になるでしょう。でも「いいえ」と答えれば相手は困ったことになるでしょう。都会の市役所と、田舎の村役場では、いろいろと事情も違います。余計な変化が起きるのは好ましくありません。
「正直と馬鹿正直は違う」
という先人の言葉を思い出して、「おそらく5人はいるんじゃないでしょうか」と答えておきました。

前回も、前々回も参加者は二人でした。「またひとつ嘘をついてしまったな」と思ったものですが、その思いすらすぐに忘れてしまい、ここ数日、そんなことがあっとことすら思い出せないでいました。

5人の村民が名簿に名前を書いて提出できるまでグループが成長すれば、こんな悩みはなくなるのでしょうが、それはだいぶ未来の話になるでしょう。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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