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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2003年09月29日(月) 前にも書いたような気がするけれど 僕はインターネット上でもAAの中でも「ひいらぎ」と名乗っています。もともとAAにやってくる前から、ネット上(当時私はインターネットに接続する環境がなかったので、パソコン通信上)で「hiiragi」というハンドルネームを使っていたというのがその由縁です。
実は「hiiragi」を名乗る前には、某というハンドルネームを使っていたのです。電話料金に「区域外320Km超」という区分があった時代の話です。はじめの頃のパソコン通信に匿名性なんてものはなくて、ホストPCのオーナーから会費の請求がはがきで到着したりしたものです。それに、オフ会も当たり前のようにありました。だから、「ネット上に別の人格を作る」なんていう構想は成り立ちにくかったですね。
で、その某というハンドルネームは実は女性名だったのですが、当時はネット上に女などいるはずもなかったので、別にネカマとか非難されませんでしたし、オフ会でも困りませんでした。しかし、運の悪いことに、その名前を使う女性が現れてしまい、初見の方に混同されてしまうこともしばしばで、さすがに男である僕は引け目を感じざるを得なくなってしまいました。そこでやむなくハンドルネームを変えることにしたのです。仮想ではないとは言っても、自分のパーソナリティに別名(Alias)をつけるわけですから、かなり考えました。
しかし、いくら考えても妙案が浮かびません。しかたなしに、適当なところから引っ張ってくることにしました。
・日渡早紀の『僕の地球を守って』の7人のなかで最も影が薄い人物「ヒイ=ラギ」
・同じく白泉社の坂井美羽の『ミルクタイムにささやいて』の続編中に現れる女性キャラクター柊
・ついでに、最近またジブリアニメの原作になっていて、当時りぼんで連載を書いていた漫画家「柊あおい」
ここらへんから、柊というのは人の名前として「アリ」なのだと判断して、採用することにしました。性別は不問だしね。漢字の通らないホストのために、hiiragiとローマ字小文字で統一して・・・。
そして数年後(そう、ほんとうにその間は数年だけなのですが)、聞くところによるとAAというのは「黄色い薄い本を読むところで、皆がアル中と名乗っているのだがそれは強制ではなく、神だと言うのだが宗教ではなく、そして変なニックネームを使っているところ」である、という予備知識だけを頼りにAAのミーティングを訪ねたのです。そして、そのうわさはほぼ本当でした。
つながったグループのメンバーが動物の名前ばかり使っていたので、とっさにヒイラギは植物だからよかろうと、そのままニックネームに採用してしまいました。最初は柊と漢字で書いていたのですが、本名だと勘違いする人が増えたので、ひらがなで書くようになりました。
「心の家路」はネット上の存在なので、もとよりのハンドルネームである「ひいらぎ」を使うのは、僕にとっては自然なことです。AAの12の伝統というものがあるので、本名を公開していないだけの話で、別段ネット上に現実の僕とは別の人格を作り上げようとは思っていません。
ただ、虚構は書かなくても、なにがしかの情報を意図的に書かなかったり、誤解の余地がある文章を書いたり、はたまた長年のアルコール摂取によって痛んだ脳がウソを編み出してしまうかもしれませんが・・・。でも、虚構を作ろうとは思っていないのです。
それに、ミーティング会場をニックネームで借りられないのと同じように、ネット上の空間だって実名でないと借りられないのです。僕の住所氏名電話番号(とメールアドレス)は、実は誰にでもアクセスできるところに置かれているのです。社会的責任を放棄して、匿名で存在するというのがAAのプログラムの目的で無い以上、僕はその欄にウソを書くことはできませんでした。
そろそろAAでのニックネームを(本名に)変えたいと思っているのですが、人々の間に行き渡ってしまった名前を変えるのは簡単ではないようです。
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