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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2003年09月05日(金) 望遠鏡 10時出社・10時退社。出張は来週水曜日10日から、おそらくは22日まで。場所は富山。
夜の帰り道、南の空に火星を見ました。あれがそうなんですよね。赤みを帯びているし、あんなに明るいし、他の星と違って瞬かないし、間違いないと思うのですが・・・。
子供の頃の趣味は天文学でしたから、実家には天体望遠鏡もまだあります。この、まだあることが問題でして・・・。
中学ではクラブ活動は天文クラブ。高校では地学のクラブに入って活動していました。天体位置の計算に興味を持って、計算機に興味が移り、そしてコンピューター(計算機)へと分野が変わってしまったわけです。高校を卒業するときに、「東京の大学に行くんだし、天文もやらない、もう星を見る機会も無いだろう」と思いました。そこで、天体望遠鏡すらろくに持っていない地学のクラブに、自分の望遠鏡を寄贈しようと心に決めたのです。
しかし、両親はそれを承諾してくれませんでした。せっかく高い金を出して買ってやったのに(安物だったけど)手放すとは何事だと。僕は、機械を大切にするというのは、きちんと管理して擦り切れるまで使ってやることであって、箱に閉まって腐らせておくことではない! と主張したのですが、仕舞って置く場所だけはたくさんある田舎の家に置いておくことが決まってしまいました。
一度、寄贈するとクラブに言ったのに、前言撤回するのは恥ずかしかったですな。
その後、その望遠鏡を使うことは滅多にありませんでした。ただ、兄の家族が実家に泊まりに行った時など、甥にせがまれて使うこともあったようです。しかしそこは、何も知らないトーシローのことですから、夜闇の中で部品は次々に無くすは、結露したものを乾燥させずにしまいこむのでレンズにカビが生えてしまうわ、と使い物にならなくなってしまいました。
今では、実家の奥の家屋で、動かない骸をさらしている望遠鏡。
親とも衝突したし、一方的に押さえつけられたことも数知れず・・・。すべては許しの中に流れていったけれど、この一件だけが、どうしてもどうしても未だに許せないでいるのです。
翻訳でひさしぶりに徹夜。あと半ページぐらいなので、裏の締め切りには間に合うでしょう。
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