こっくりさん - 2009年10月23日(金) 「雨だから、今日はうちにいようよ」って、仕事が終わった頃ラリーから電話がかかる。 「雨ひどくなった」って、うちに着いたらラリーからテキストが入る。 雨。残念だけど、まあいいか。残業でわたしもくたびれてるし。 ひとりでウィジャボードしようかなって思ったけど、やめた。 あれは確か「こっくりさん」だと思う。 ウィジャボードをラリーが買った。わたしにもひとつ買ってくれた。「壁にかけたら絵になるよ」って。それ以来ラリーんちに行くと、ふたりでウィジャボードするのがお決まりになった。 わたしのインディケーターの使い方が下手だって言って、ラリーは練習を促す。一緒にインディケーターに指を置いて、ラリーは「使い方が正しいですか?」って質問をする。「6」の上で止まった。「あと6回練習しろってことだ」ってラリーは言う。 黙ってボードの上にインディケーターを滑らせるラリーの真剣な顔を横目で見ながら、わたしは内緒の質問をすることに決めた。ルール違反かなって思ったけど、大丈夫だよねってことにして、目を閉じて神経を集中させて、わたしは聞いた。 「Does Larry love me?」 今度は目を開けてボードの上を滑るインディケーターをしっかり見つめながら、黙って繰り返す。 「Does Larry love me?」 インディケーターが答えに向かって滑る。わたしの祈りの方向に向かって滑る。心臓がどきどきし始めた。どきどきが早くなる。そしてインディケーターが止まった。「Yes」の上に。 「使い方、正しいってことかな」ってラリーが言った。 違うよ、ラリー。これはわたしの質問の答えなの。思わずほころんだ顔をラリーに気づかれないように、必死で唇を結んだ。 そう、あれは先々週の日曜日。 -
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