初めてのカヤック - 2004年09月02日(木) 面接は上手く行って、その場で採用をもらってしまった。 ジェニーもデイビッドも、たとえ採用されてもよく考えてから決めなよって言ってたけど、この病院ならもっとたくさん難しいケースを経験出来てもっとたくさん学べると思った。それでオーケーしちゃった。考える暇も迷う暇もなかった。すんなりそういうことになってしまった。神さまのプラン。わたしの転換期。 終わってからデイビッドに電話する。ダンススタジオに来月からのクラスを申し込みに行って、それから会いに行くことになった。夕方からカヤックに連れてってくれるって。ダンススタジオの周辺は、リパブリカンのナショナル・コンベンションの警戒体制であちこち道路をブロックしてる。ぐるぐる歩き回ったのに、ダンススタジオの通りは全く入れなくて、当然スタジオもクローズしてる。 がっかりして歩いてると、携帯が鳴る。仕事中のサマンサからだった。面接に受かってもう決めちゃったこと話したら、ネガティブだったサマンサも大喜びしてくれた。 地下鉄に乗ってデイビッドんちに行く。面接用にスーツを着てるわたしに、デイビッドはサイズを間違えて買ってはけないサイクリングパンツのショーツを貸してくれた。なんでこんなにサイズを間違うかって思うほど、わたしにぴったりだった。Tシャツも借りて、カヤックに出掛ける。 デイビッドはボランティアでパトロールをやってて、わたしはひとりでカヤックに挑戦させられる。難しかった。腕に力がなくて、とても速くなんか漕げない。ハドソンリバーの水は穏やかだったけど、時々波が立ってカヤックが揺れまくる。「デイビーッ! 怖いよおー」ってパトロールしてるデイビッドに叫ぶ。「平気平気。絶対ひっくり返ったりしないから」。そう言いながらわたしのところに来てくれて、腕の使い方やオールの持ち方や足の使い方を直してくれる。おなかが減ってのどが乾いてへとへとになった。 暗くなってから、ほかのボランティアの人たちの、ボートのおうちに招待された。 ボートのおうち。前の街にもたくさんあった。だけど中に入るのは初めてだった。こんなにいつも揺れてちゃ、わたしなんかとても普通に生活出来ない。でも、ボートのデッキでゆらゆら揺れながらのちっちゃななパーティは楽しかった。 カヤックのせいでショーツは下着までずぶぬれで、だんだん寒くなる。 デイビッドのアパートに戻ってすぐに、暑いシャワーを浴びた。 もう遅くて、泊るつもりじゃなかったけど、「今日は仕事に行ってないからおんなじ洋服でも誰にもわかんないだろ? 明日の朝地下鉄でこっから仕事に行きなよ」って言われてそうすることにした。 あんまり賛成じゃなかったデイビッドも、わたしが採用を受け入れたことを話してからはサポートしてくれる。いつから新しい病院でスタート出来るかはまだわからない。おなじシティ・ホスピタルだから、HR の移動の手続きがいろいろあって時間がかかるらしい。それに もうすぐ3年に一度の監査が入るから、チーフはそれまで辞めさせてくれないかもしれない。変わることが決まった以上早く移りたいけど、監査が終わるまで待たなきゃいけないなら、そして新しい病院もそれを認めてくれるなら、それはそれでいいかなとも思う。 -
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