天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

危機 - 2004年07月18日(日)

よく眠れたのか眠れなかったのかわからない。夢ばかり見てたのは確かで、目が覚めたら体がだるくて頭ががんがんしてた。教会に行ったけど、ゲスト・スピーカーのお話に全然集中出来なくて、泣いてばかりいた。

クラリスに少し話して、お祈りをしてもらった。
終わってからジェニーがコーヒーに連れ出してくれて、たくさん話したけどすべては言えなかった。

オスカーに会いに行った。サイコセラピストの彼に、友だちとしてじゃなくてセラピーをして欲しいってお願いした。全部話せた。正直になれた。ここにも書けなかったいろんなこと。デイビッドと ex- ガールフレンドのことでケンカするたびに、わたしはその場を逃げ出そうとして、「I wanna kill myself」って口走った。今でもここには書きたくないクレイジーな行動にも走った。「日本人」にカテゴライズされるたびに異常に反応してデイビッドを「レイシスト」呼ばわりした。それらが英語の世界ではどんなに強い脅しや侮辱の言葉であるか知ってて、わたしは言わずにいられなかった。


土曜日。ブルックリンの橋を歩く途中で、おんなじケンカを繰り返した。おんなじ言葉を投げつけた。きっかけはいつも些細なことで、それが決まっておなじところに発展する。デイビッドもわたしも言葉がキツくて言い出したら止まらない。それでもいつもデイビッドが最後にはわたしを取りなしてくれて、仲直りした。昨日も、渡りかけた橋を来た方向にひとりで帰ろうとしたわたしをデイビッドは制したのに、その腕を振り切ってわたしは逃げ出した。携帯が何度も鳴って、何度も何度も鳴って、そのたびにわたしは携帯を切った。橋の入り口を数ブロック曲がったところで見つけたグローサリー・ストアでお水を買って一気に飲んだら落ち着いて、デイビッドに電話した。デイビッドは橋の真ん中のところのベンチで座って本を読んでて、「戻っておいで。待ってるから」って言ってくれた。わたしは橋をもう一度歩いて、デイビッドを見つけた。普通におしゃべりして地下鉄に乗ってデイビッドのアパートに帰った。

だけど違った。デイビッドが何もしゃべらずに作ってくれた晩ごはんを、二人で何もしゃべらずに食べて、それからデイビッドが言い出した。もうこういうケンカに耐えられないって。わたしの言葉や行動に耐えられないって。今日は一人になりたい。明日も一人になりたい。僕にはブレイクが必要だ。って。そしてわたしの行動を詰りはじめる。それには理由がある。それが何だか自分でもわからない。自分でも説明がつかなくて、デイビッドの言葉にアップセットして、ナターシャの背中を撫でて「バイ」を言ったら、ナターシャが怒ってわたしに吠えた。そんなことは初めてだった。アパートに戻ったときも、お留守番してたナターシャはわたしの膝にじゃれついてわたしのおなかに飛びついて大喜びしてたのに。


夜、デイビッドに電話する。しないでいられなかった。ちゃんとうちに帰ったことを安心してくれて、だけどそのあとデイビッドは自分の心にあることを全部、全部、わたしに言った。聞くのは辛かった。「きみを前よりずっと好きになってたのに、今はその気持ちが少なくなってる」っても言われた。「僕は今までガールフレンドと自分から別れて来た。きみだけが例外だなんて言えない」「僕たちがこのままずっと一緒にいられると思ってるの? きみはクリスチャンで僕はジューイッシュで、それは不可能だ」。そうも言われた。

悲しかった。悲しかったけど、ずっと黙ってデイビッドの言葉を聞いてた。デイビッドがそこまで強い口調でいろんなわたしのことを非難したことは今までなかった。バクハツ。そんな感じだった。デイビッドは今は先のことはわからないって言った。ただ、今は少しのあいだひとりになりたいって言った。それでもわたしのことは気づかってくれた。明日は教会に行って、それから自分でやることを見つけな。僕もひとりで過ごすから。お互いに別々に考えよう。ベッドタイムには電話するから。きみの一日がどうだったか聞きたいから。そう言った。わたしは眠れそうになかった。それでも精神的にくたくたで、いつのまにか眠った。


ケンカのたびにひどい言葉でデイビッドを罵って、「I wanna kill myself」なんて狂ったみたいなことを口走って、わたしはデイビッドを脅したかった? リアクションを試したかった? 止めて欲しかった? なだめて欲しかった? 怒らせたかった? アテンションが欲しかった? マニピュレイトしたかった? コントロールしたかった?

デイビッドが言ったことは全部、部分的には多分当たってる。だけど、オスカーに話してるうちに分かって来た。わたしがどんなにイヤがってもわたしの気持ちを無視して ex- ガールフレンドと会うことはやめないって言うデイビッドに自分の存在を否定されてる気分になって、それで消えてしまいたくなる。そして多分、わたしは日本を捨てたこと、家族を捨てたこと、結婚を捨てたこと、それらにどこかでギルティーを感じてて、自分の国も文化も日本で暮らした日々も日本に帰ってしまった別れた夫の悲しみや葛藤も忘れてしまいたいと思ってる。だから「日本人」を強調されるたびに拒絶反応を起こして、「レイシスト」なんて言ってはいけない言葉をわざと言ってしまう。


オスカーは、わたしたちの関係は危機の真っただ中なんだって言った。わたしがそういうことを口走るのをやめなきゃいけないって言った。やめる方法を教えてくれた。自分の問題を乗り越えてスピリチュアリーに成長することが神さまがわたしに与えた目的なんだって言った。そしてデイビッドはわたしのことをもっとちゃんと理解する必要があるって言った。デイビッドにその気持ちがあればだけど。そしてデイビッドもサイコセラピーを受けるべきだって言った。


晩ごはんを一緒に食べに行って、オスカーは「セラピスト」から「友だち」に戻って余計なことを言ってわたしの気分を損ねて、わたしは相変わらずイジワルく言い返したりもした。悪いクセ。それがわたしの悪いクセ。直さなきゃいけない。

それからオスカーのアパートでタンゴを一緒に踊ってみた。サルサも少し踊ってみた。忘れてると思ってたステップはあまり忘れてなかった。ときどきステップを崩したけど、オスカーこそ上達したのかどうか疑わしくて、笑っちゃった。膝が痛むステップはあった。だけど踊れた。前みたいにスムースにはとてもいかなかったけど。



うちに帰ったらデイビッドから「ゆうべはちゃんと眠れた?」ってメールが来てた。
それから12時半を回って電話をくれた。


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