天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

よかった - 2004年05月04日(火)

よかった。
ナターシャは病院で一日と一晩 IV を受けて、今日帰って来た。
ほんとに死んじゃうかと思ってた。

土曜日、デイビッドの仕事が終わるまでカバラの続きを読んで待ったあと、わたしは地下鉄に乗って出掛けたいってリクエストした。長いこと地下鉄に乗ってなかった。確か、スキー旅行に行く直前にデイビッドんちに行って駐車した車をトウされて、車を取りに行くのに地下鉄に乗ったのが最後だと思う。

イースト・ヴィレッジに出掛けた。土曜日の夕方の地下鉄は混んでて、デイビッドはずっとわたしの足をかばっててくれた。地下鉄に乗って一緒に出掛けるなんての、初めてだった。大きな教会の前でダンスのパフォーマンスのサインを見つけた。「きみのためのイベントだ、観ようよ」ってデイビッドが言って、観ることに決めた。パンフレットを見たら、衣装のデザインが日本人の女性だった。ほんとにこの街では日本人のアーティストたちが頑張ってる。「見て見て。日本人だよ」。誇らしいのと羨ましいのが混ざって、デイビッドにそのデザイナーの紹介文を見せながら溜め息が出る。

モダン・ダンスのパフォーマンスは素敵だった。しなやかな肢体だけで綴る、言葉のない物語。ひとりひとりが別々の場所で別々の動きを見せてるのに、コロシアム状のステージがひとつの大きな動くキャンパスになっている。たおやかで力強くて、激しくて穏やかで、セクシーでキュートでユーモラスで、食い入るようにダンサーたちの動きを見てたけどドキドキする緊張よりリラクシングな心地よさだった。奇麗なからだだねえちっちゃいオッパイがいいとか、あファックしてるとか、見てあの人ベッドのなかでいいよきっととか囁くと、デイビッドは「シッ。ダーティなこと言うんじゃないよ」ってわざと大きな声でわたしを制しながら面白がってた。

レストランでパストラミのサンドイッチを作ってもらって、スターバックスに持ち込んでサンドイッチのブラウンバッグで隠しながら食べてから、ミッドナイトを過ぎてうちに帰ったらナターシャが仕事場に下痢してた。デイビッドは怒りながら、わたしは笑いながらふたりで掃除する。

日曜日は朝早く、ナターシャの歩き回る音で目が覚める。「ナターシャ、大丈夫?」って体を起こしてナターシャに聞いたとたん、ナターシャはまた下痢した。それから吐いた。

せがむナターシャをデイビッドと一緒に外に連れ出すと、アパートの前の植え込みのあいだにしゃがみ込んだナターシャは、今度は血が半分の便をした。心配で様子を見ながらしばらくいたけど、ナターシャが少し落ち着いてから「教会が終わるよ。もうかなり遅れてるけど、行っておいで」ってデイビッドに促されてわたしは教会に行った。

ナターシャはアパートのホールウェイとキッチンが血まみれになるほどの血便をし続けて、嘔吐も何回かしたらしい。夜中に電話して来たデイビッドがエマージェンシーに連れてこうかってわたしに聞いたけど、ナターシャは弱ってるどころかいつもと変わらず元気だっていうから、朝一番にふつうの獣医さんに連れてくように言った。動物のエマージェンシー・ホスピタルはとにかくヒドイの知ってるから。


まだ少し出血してるらしい。
だけど元気みたい。
ごはんが食べられなくて泣いてるみたい。
それだけみたい。
よかった。



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