サンクスギビング・デー・イヴ - 2003年11月27日(木) 思いがけないサンクスギビング・デー・イヴ。 サンクスギビングは別々に過ごすから、いつもの木曜日に会えない。だから水曜日に会いたいって言ったのはわたしだけど、デイビッドはその案を喜んでくれた。 サンクスギビング間近になって、たくさん招待もらっちゃった。 大家さん家族、新しい同僚のサマンサ、ダンス・クラスメートのジーン、オスカーさん、それからジェニーんち。みんな心が揺れたけど、最初に招待状くれたスーザンとアンナんちに行くことにもう決めた。ジェニーんちは今年はなぜか前日の水曜日にディナー・パーティをして、わたしったらデイビッドと会うほうを選んじゃった。「うちにはいつだって来られるから」って、ジェニーは快く OK してくれた。 映画を観に行った。このあいだ見る予定だったのをやめて、「the hounted manison」。エディ・マーフィーの映画はとりあえず楽しいから。「2本立て続けにつまらない映画観ちゃったね」って、前に観たあのくだらない「lost in translation」のことと一緒にデイビッドはそう言ったけど、わたしはロマンティックで絵がとても奇麗なのが気に入った。最後の、みんなが一緒に天国に飛んで行くところ。あそこはデイビッドも涙がこぼれそうになったって言って、そんなふうにあの場面を観たデイビッドのこころがなんか嬉しかった。 サンクスギビング・デーの前夜のシティは、人でいっぱいだった。そんな夜に恋人みたいに一緒に歩けるのも嬉しかった。 昼間にナターシャとふたりでまたアップアテイトの山にハイクに行ったデイビッドは、アパートに戻っていつものようにテレビを観てるあいだにソファで眠ってしまう。ナターシャもくたびれ切って、早くから眠ってた。仕方なくデイビッドをベッドに促して、「あたし眠たくないよ」って駄々こねながらデイビッドの隣に潜り込んだ。 デイビッドはまたくちゃくちゃにわたしを抱きしめながら眠る。いつのまにかわたしも眠って、ひとりで早起きして仕事に行かなくていい朝を迎えた。たくさん眠った。先に起きたデイビッドがオートミールとコーヒーの朝ごはんを作ってくれた。シャワーを浴びてバスルームから出て来たら、デイビッドは仕事場でクライアントにメールの返事を書いてる。「今日は仕事はしないよ」って言ったくせに。 わかんないけど、なんか悲しくなった。ベッドルームへの階段に座って、涙がこぼれそうだった。それからシティのサンクスギビング・デー・パレードをテレビで観た。笑っておしゃべりしてたのに、突然、ほんとに涙がこぼれた。 驚いたデイビッドはテレビを消して、わたしの前に椅子を引っ張ってきて座る。「なんで泣くの? わかってるよ。カダーのこと考えて泣いてる」。そんなこと言って茶化したあと、デイビッドは今までの仕事のこと、今の仕事のこと、これからの仕事のこと、今の生活のこと、一年先の生活のこと将来のこと、わたしの目を覗き込みながらそんなことをいろいろわたしに話した。それから「どう思う?」ってわたしに聞いた。 何も答えられなかった。わたしはデイビッドの仕事が好きで、仕事のやり方が好きで、生活が好きで生き方が好きで、そして話してくれたこれからのプランも、とても尊重出来る。だけどそう素直に言えなかった。 来週の金曜日、わたしに休みが取れたらスキーに行こうよってデイビッドは言った。嬉しかった。2時にアンナとスーザンちに行く予定のわたしを、今日は車のとこまで送ってくれる。「あたしのお休みが取れたら、ほんとにスキーに連れてってくれるの?」。そう聞いたら「天気がよければね。よくなかった場合のバックアップ・プランをきみは考えておきなよ」って言われた。お天気が悪ければデイビッドは仕事をする。わたしは取り残されて、お休みを取ったひとりの時間を過ごす。 アンナとスーザンちから夜中に帰って来たら、オスカーさんからメールが来てた。 土曜日の夜、食事が映画に行かないかって。 オスカーさんに返事を送らずに、デイビッドにメールを送った。 サンクスギビング・デー・イヴをありがとうって。 それから、今日言いたかったのに言えなかったこと。わたしがデイビッドの生き方をとても尊敬してるってこと。だけど時々、デイビッドの生活から疎外されてる感じがしてわたしがデイビッドの生活の中の一体どこにいるのか考えてしまうってこと。ほんとは「いつも」なんだけど。バカバカしい、きみは考え過ぎだ、ってそういうわたしの気持ちをどうか無視しないでね、考え過ぎなのかもしれないけどわたしにとっては大事なことなの、わたしは自分の生活も生き方も尊重したいから、って。 明日になったら返事をくれる。くれないかもしれない。 -
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