デイビッド魚 - 2003年10月04日(土) デイビッドが来てくれた。「今日は僕がそっちに行くよ」って、お見舞いにジンジャーエールとクッキー持って、ナターシャ乗っけて迎えに来てくれた。小雨が降ってて、デイビッドを迎えに出た大家さんの奥さんのシャーミンが「雨に当たっちゃだめよ。ちゃんと胃にいいもの選んで食べるのよ。食べ過ぎないのよ」って、用意が出来て出てったわたしをコウルサイけど嬉しそうに送り出してくれた。デイビッドが来るとシャーミンはいつも嬉しそうにコウルサイ。デートに出掛ける中学生の娘の母親みたいに。だから「OK, Mom」って言ったら「お母さんじゃなくてお姉さんよ」って真面目な顔して怒られた。 わたしは選択を3つ用意してた。超カジュアルな家庭風グリークと、ちょっとおしゃれなよそゆきグリークと、少し離れたとこのターキッシュ。デイビッドは超カジュアル・グリークを選んだけど、通りの駐車スポットが見つかんなくておしゃれ・グリークに変更した。 デイビッドはわたしの胃にものすごく気を使ってメニューを選んでくれた。どれもおいしかった。デザートはわたしの好きなバクラワにしようって言ってくれたけど、50種類くらいお菓子があるアラビックのお店があるんだよって話をしたら、そこに行こうよってデイビッドは言った。わたしの住んでる界隈に一緒に出掛けるのは初めてだった。案内してあげるのが嬉しかった。ミドルイースタンの通りにあるそのお店でいろんなお菓子を少しずつ選んで、セイジ・ティーを飲みながら長いことそこで過ごした。デイビッドはわたしとおなじに食べ物も音楽もアラビックが好きで、カダーに教えてもらったわたしの大好きなその通りをふたりで歩き回った。小さなグローサリーのお店でおもしろいもの見つけては、子どもみたいにデイビッドははしゃぐ。どこに行ってもデイビッドはお店の人とすぐ仲良くなって、飾り用にかけてあったアラビックの楽器を弾かせてもらったりする。楽しかった。いつもカダーと一緒に歩きたいなって思ってたミドルイースタン通り。 「カダーに話そ。言ってやろ。デイビッドと一緒にアラビックの通り歩いたんだよって。カダーは一度もここに連れて来てくれなかったの」。嬉しそうにそんなこと言ってみたけど、デイビッドはただおもしろそうに笑ってた。 ゆうべカダーに電話した。最近電話してこないと思ってたら、デートの相手が出来たらしい。でも、3回デートしたあと寝たらちっともよくなくて、もうやめたいらしい。すごい美人で鼻がきれいで、それを褒めたら「ああ、この鼻整形したの」って彼女が言ったことも冷めた原因らしい。3回デートして1回寝てヤになったけど、いい子だから友だちでいたいとかバカ言う。デイビッドに「信じられないバカ」って言ったら「きみだってカダーと今はいい友だちだろ? いいことだよ」って言われた。「あたしはカダーと定期的に会ってないもん。そういうわけわかんない関係じゃない」。デイビッドの ex-ガールフレンドのことをそう言ってやればよかったってあとから思ったけど、言ったってしょうがない。デイビッドにとっては人に自慢するほど「いいこと」なんだから。 今朝はロジャーの電話で起こされた。ロジャーは病院に飛んで来てくれなかったデイビッドのことをあれからイディオットって呼ぶ。「あのね、きみの前方には大きな海があるんだからね」「うん。でもさ。ほかにイディオットじゃない素敵な魚がたくさんいても、あたしデイビッド魚が欲しい」。 今日会いに行くんだって言ったら、なんで体調の悪いきみが会いに行かなきゃなんないのさ、なんで会いに来てくれないのさ、ってロジャーはまだ怒ってた。でも会いに来てくれた。くれたんだよ。一緒にごはん食べに行ってさ、体のことずっと気づかって大事にしてくれたし、帰るときには送り返してくれた車の中でいつもみたいじゃなくもっと大事に抱き締めてくれてさ、おでことほっぺにキスしながら「早く元気になりなよ」って何度も言ってくれたよ。わたし、デイビッドの耳の後ろのくりくりカールの柔らかい髪に顔うずめて、すごく幸せだったんだから。 わたしの欲しいもの。そういう幸せ。いつもそばにあるデイビッド魚の幸せ。 わたし、欲しい。 -
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