不思議の国のアリスの裁判 - 2003年04月09日(水) 仕事の帰りに裁判所に行く。 去年の夏にスピード違反でつかまったやつの、plea of non-guilty しに。 無罪の申し立て、っていうの? 今頃になって通知が来た。 まだ引っ越す前だったから、裁判所は前のアパートの近くのだった。 遅れちゃいけないと思って、仕事終わって大慌てで向かったら、早く着きすぎてしまった。ひとりだと思ってたのに、待合室で待たされてるあいだにどんどん人が来て、驚いた。 名前を呼ばれたら検察室に行ってくださいって言われて、一番最初に名前を呼ばれる。 検察官の人に、スピード違反を減刑して一時停止無視にすることが出来るから、それに合意すれば6点の点数が3点になって罰金も少なくなります、そうしますか? って聞かれる。 「裁判で無罪を申し立てたらどうなるのですか?」って聞いたら、「あなたは制限速度30マイルのところを59マイルで走ってます。『倍』ですよ。レーダーで測定した記録が残ってます。そのときのポリス・オフィサーも来てます。負けると点数も罰金もそのままです。6点は最高点ですよ。次の車両保険料が跳ね上がります」って言われた。 罰金払わすに済むようになるのかなって思ってたのに。それより点数のことなんか考えてなかった。yes って言わないわけにいかない。いろいろ言い訳考えてたけど、そんなの通るわけないし。 「そうします」って言ったら、「では法廷に行ってください」って言われて、なんで法廷? って思った。広い法廷に座ってたら、あとからまた続々人が来る。卒業式に着るガウンをもっとかっこよくしたみたいなのを着た裁判官のおじいさんが入って来た。 裁判官がなんだか長々と行程を説明したあと、また順番に名前が呼ばれて、今度は一番最初じゃなかった。呼ばれた人は前に出て、なんかいろいろ言ってる。わたしは何を言えばいいのかわかんない。スピード違反じゃなくて一時停止無視でした、って言うの? そんな嘘言っていいの? わかんないよう。 怖くなって、席を立って受付のおにいさんのところにこっそり行って聞いたら、「言われたことに yes って言えばいいんだよ」って言われる。 しばらくしたらさっきの検察官の人が入って来て、裁判官じゃなくて今度はその人が順番に名前を呼び始めた。そこでやっとわかった。 わたしの名前が呼ばれて、前に出る。検察官の人が、スピード違反ではなく一時停止無視の罪なので減刑してください、ってことをなんだかもったいぶって説明して、裁判官がまたもったいぶって同じこと繰り返して答えて、「今日ここで罰金を支払いますか?」って聞かれて「はい」って答えて、確か195ドルだった罰金が100ドルになって、終わった。 ちょっと深刻なふりしてチェック書き込みながら、可笑しくてくちびるの両端が緩んできた。 でもまたちょっと深刻な顔作って、みんなが座ってる中、通路を出口に向かって歩いた。 受付のおにいさんが「どうだった?」って笑って聞く。 「平気だった」って笑って言ったら、「でしょ? さっきは緊張してたね」だって。 「今度からもう大丈夫よ」って言ってバイバイって手を振った。 おもしろすぎ。 あれは偽物の裁判官と検察官だったのかなって思った。 不思議の国のアリスの裁判みたいだったなって思った。 -
|
|