恋人でもないのに - 2003年04月02日(水) お休み。 フランチェスカとダンスのクラスに行くために、夕方から病院に行く。 病院に車を置いて、地下鉄に乗る。 クラスは8人で、ひとりだけ男の人がいた。その人の彼女みたいな人が一緒だった。 先週見学したラテン・テクニークのクラスは男の人が8人もいて、「よかったじゃん」ってジェニーが言ってたけど。わたし男見つけるためにダンス習いたいんじゃないのに。 先生は男で、ティピカルなダンスの先生って感じだった。だぼだぼのパンツ履いて、胸のところを紐で編み上げるシャツ着てて、細くて背が低い。なんかわかんないけど、「ダンスの先生」以外の何ものでもない風貌だと思った。 隣りのスタジオでサルサの上級クラスをやってて、すっごく難しそうだったけど早くあんなの踊れるようになりたいって思った。サルサって100以上種類があるんだって。今日習ったのは一番基本のバック・アンド・フォウォードとサイドとターンで、「サルサ・ニューヨークスタイル」とか先生が言ってた。イミわかんない。簡単だったけど先生がやるとやっぱり違う。わたしはどうしてもクラブ用みたいになっちゃう。思いっきりスパニッシュっぽく踊りたいのに。でも誉められちゃった。 受付の男の人がちゃらちゃらしてて、先週フランチェスカは「ジャークなやつ」って怒ってたくせに、今日はやたらおしゃべりしてた。それでまたあとから「ジャーク!」って怒ってる。「そんなこと言ってちゃんと相手してるじゃん」って、ジェニーになら言うのに、フランチェスカには言えない。 クラスが終わってお腹が空いたけど、あの辺りはあんまり素敵なお店がない。ミッドタウンもタイムズスクエアよりに行くと少しはいいとこあるけど。ビルのエレベーターで一緒になった別の階から降りて来た人に、その辺でおいしいとこどこか知らないか聞いたら、すぐ隣りのお店を「ここならわりとイケルよ」って教えてくれた。 フランチェスカはその人がカワイイって言って、「一緒に食事しませんか?」って言えばよかったって言う。わたしは別にそう思わなかったけど、「じゃあ追いかけてきなよ」って言ったら、ほんとに追いかけようとした。見失っちゃったみたいで、「ああ、なんでさっき誘わなかったんだろ」って本気で残念がってる。「アンタ何考えてんの?」って、ジェニーになら言えるのに、フランチェスカには言えない。だいたい、ジェニーなら絶対そんなことしない。 そういうホンネをジョークにして言える相手と言えない相手がある。フランチェスカは言えるタイプじゃない。誰もフランチェスカには言えないんだろうなって思う。なんか、言ったらすごく傷つくか怒って口聞いてくれなくなるか、そんな気がするから。つまんないなって思った。それから、わたしフランチェスカに似てないじゃん、って。だってわたしはジャークな男の相手なんかしないし、全然知らない男をいきなり誘ったりしないよ。わたしはバカかもしれないけどもうちょっとマトモだ。違うか。別のとこでもっとマトモじゃないか。わかんない。 あの人が、ベリーダンス習いに行って欲しくないって言った。 エッチなダンスって言ったから。セクシーなだけで別にエッチじゃないんだけど。おんなじこと? 「そういうのきみが踊るの人に見せたくない」って言うから、「いいじゃん。一緒に踊りに行った相手に見せるだけなんだから」って言ったら、あの人はいやだって言った。男とふたりで踊りに行くのもいやだって言った。 恋人でもないのにそんなこと言わないでよ、なんて思わない。恋人でもないのにそんなこと言ってくれて嬉しい。 なのに、「なんでよ。あなたには彼女がいるんだから、あたしが誰と何したってかまわないじゃん」って言っちゃった。そしたら「それ言われたらしょうがない」って言われた。それから少し黙って「ごめんね」ってあの人は言った。 泣きそうになった。 自分が言い出したくせに。 あの人ときどき恋人すぎる。 ときどき、あと千年待てそうになくなる。 -
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