イエローキャブ - 2003年03月30日(日) 昨日もまた Dr. チェンと出掛けた。 「明日は踊りに行こうよ」っておととい Dr. チェンが言った。ジェニーはファミリーディナーに出掛けるから来られなかった。Dr. チェンの従兄弟もアーカンソーに帰っちゃったし、「ふたりで踊りに行くってマズイかな」って Dr. チェンが言う。 わたしは全然平気なのに。そういうのっておかしいのかな。 お寿司とかラーメン食べに行くのとどう違うんだろって思うけど。うちまでひとりで遊びにだって行ってるし。 でも Dr. チェンがマズイって思うなら悪いから、やめたほうがいいって思った。だから「だったらやめようよ」って言ったのに、「いや、なんか遊びたい気分だから、行こ」って、結局行くことになった。 一番行きたかったクラブはカバーが高いからやめにした。ふたりとも行ったことないけどいいって評判のとこに行った。地下のダンスフロアはミッドナイトにならなきゃ始まらないから、バーでおしゃべりする。 ここでもジャズのライブがあった。 おとといのとこもライブがすごいって思ったけど、ここはもっとすごかった。キーボードとドラムの人はブナヴェスタ・ソーシャルクラブみたいなおじいさんで、もう体まるごとジャズだった。それもすごいと思ったけど、サキソフォンが、涙が出そうなほどすごかった。 「The girl from Ipanema」が始まって、心臓に羽根が生えたみたいになる。 別に思い出の曲とかそういうんじゃないけど、大好きで大好きで大好きなナンバー。いつ聴いても誰が演っててもどういうアレンジでも、素敵すぎて頭がパーになるくらい。サキソフォンは最高だった。ヒューって言いたくなるほど感動した。器用に動くおにいさんの長い指も最高にセクシーだった。指。わたしが一番男の色気を感じるところ。 隣りでほんとにヒューって言ってる Dr. チェンの指は、丸くて太くて色気なし。 だから全然マズクなんかないのにさ、って思う。 ソファから身を乗り出した体が自然に動く。 「そんな楽しんでくれて嬉しいよ」って、まるで自分のお手柄みたいに Dr. チェンが言う。おとといのジャズ・バーといい、こんな素敵なとこ知ったのは Dr. チェンのおかげかな。あの人絶対連れて来てあげよう。そう思ってた。 地下のダンスフロアはハードウッドで、かかとが上手い具合に滑っていつもより上手に踊れるような気がした。ダンスはやっぱりマジェッドとがいいなって思ったけど、ハイパーになってる Dr. チェンが可笑しくて大笑いしながら踊りまくった。バーもダンスフロアも黒人ばっかで、あまり背の高くない Dr. チェンと4インチのヒール履いてもまだチビのわたしが大きな黒人の人たちに囲まれて、怖いよりなんか安心だった。 おととい Dr. チェンの従兄弟に、アーカンソーに日本人の女の子の知り合いがたくさんいるんだけどみんな黒人のボーイフレンドがいるんだ、なんでだろ? って聞かれた。わざとそういうこと聞くと思ったから、「大きいからでしょ」って答えてやった。日本人の女の子って、ロクなこと言われない。イエローキャブとか。 そのうち、黒人の男とアジア人の若い女の子のカップルを何組か見つけた。日本人かどうかわかんなかったけど、「アーカンソーから来たのかな」って言ったら Dr. チェンがウケてた。 Modjo の「Lady」がかかって、すっごくなつかしかった。あの人に送ってあげた CD。 Dr.チェンが、マジェッドと踊るときみたいにくっついて踊ろうとするから、「No!」って笑って離れる。でもくっついてくる。キスされそうになる。「No!」って、両手で思いっきりガードする。何考えてんの? 酔った勢いったって結婚してるんだよ? マズイって、そういうことだったの? わたしってやっぱりケアレスなのかなって思った。 今日もわたしは仕事だったから、2時にはお店を出る。 夜のシティを運転するのにも慣れて来た。めちゃくちゃに走るイエローキャブの合間を抜けるのも、もう怖くない。あの人をいろんなとこに連れてってあげたい。お昼は地下鉄で、夜は車がいい。 このところ、Dr. チェンと出掛けすぎかもしれない。休暇に行ってた奥さんが今日には帰って来るから、ちょうどいい。避けなきゃなんないようなことになるのはイヤだ。わたしはイエローキャブじゃないよ。まさかわたしのことそんなふうに思ってないとは思うけど。 朝、くたびれてギリギリに起きた。 いつもの場所に指輪がないことに気がついた。ときどき、なんでもない時にスポッと抜けることがあって、何度も失くしかけたやつ。急いでてちゃんと探せなかったから、帰って来てから丁寧に探したけど、見つかんない。ゆうべ踊ってるうちに、スポッと抜けて飛んでったのかもしれない。 悲しい。 悲しくて、カダーに聞いて欲しくなる。 -
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