にせもののほんとの愛 - 2003年03月28日(金) お休みだった。 何日か前に車のタイヤがまたパンクしてて、慌てて病院の帰り道にあるガス・ステーションで空気を入れてそのままにしてたのを、修理屋さんに持ってった。側面に穴があいてるから修理してももたないって言われて、新しいタイヤを買うハメになっちゃった。 ニューヨークの道路はひどいって人がよく言うけど、わたしひとりで証明してるような気がする。ついでにオイルチェンジもして、ちょっとした出費になってしまった。 ディーナのところに行った。 何もかも上手く行ってて、わたしはもうすぐ true love とコネクトするってディーナは言う。それがカダーのことならまだ信じられなくて、聞いてみる。 「このあいだあたしのことは愛情の対象じゃないって意味のことまた言われたの。あたし、彼があたしのことを愛するようになるなんて絶対思えない」。 そう言ったら、ディーナは笑いながら「Stupid girl」って言った。 「好きなこと言わせておきなさい。彼が今何を言おうと、あなたが彼に何を言おうと、それからあなたが誰とデートしようと、彼があなたのその人なのよ。そう言ったでしょ?」。 だけどディーナはカダーのことなんか何も知らない。名前さえわたしは言ってない。 それに、誰にも言えないあの人のことはディーナにだって言ってない。愛してるのはあの人なのに、ディーナは知らない。でもあの人のことだけは絶対に言えない。あの人のことは誰にも知られたくないし、誰からも何も言われたくない。 神さまには何もかもわかってるんだろうけど、いいことも悪いこともあの人とのことは何も聞きたくない。わたしが自分だけの力で信じていたい。ずっとこのまま。 もしもカダーがわたしの true love だとしたら、それはそれで素敵だと思う。 true love がどういうことを意味してるのかよくわからないけど、もしも今度はほんとに愛してくれて、たとえほんの少しの間だったとしてもそれが100パーセントの愛だというのなら。 あの人が天使でわたしが天使を愛してること以外、この世界はわたしにとって何もかもにせものなのだから、にせもののほんとの愛があったっておかしくない。 最近 FM でかかり始めた「Ti amo」がいい。 イタリアの古い歌がアップテンポにリミックスされた曲らしい。インターネットで探したら、それが入ってるアルバムを見つけた。イタリアのダンスアルバム。イタリアのだからスペシャルオーダーになってる。電話して聞いてもよかったけど、車に乗って、前のアパートの近くのタワーレコードに探しに行った。フランチェスカがシングルが出てるはずだよって言ってたから。 なかった。 近くに来たから電話してみようかなって思ったけど、金曜日の夜は多分あの3人で飲みに行ってる。だからやめた。 高速の途中で携帯がなる。 Dr. チェンだった。アーカンソーにいる従兄弟が遊びに来てるから、ジェニーと一緒においでよって。バーにでも出掛けようって。 ジェニーに電話したらデート中だった。「行け行け行け。行っておいで」ってジェニーはおもしろそうに言う。「Dr. チェンの従兄弟チェックしに?」「そうそう」。 ソーホーのジャズ・バーに行った。 窓際のテーブルが空いてたけど、ジャズ演奏を近くで見たくて、前のテーブルが空くまで待つことにした。ああいう演奏は近くで見るのがいい。演奏してる人たちの顔を見たい。 エレクトリック・ギターやザイラフォンまで入った、10人のバンドだった。サキソフォンの人たちがフルートも間に吹いてた。昔からフルートが習いたかったんだ、って、この間 Dr. チェンに話してたばかりだった。何の楽器が出来るかって話をしてたとき。「ほらね、ほらね、ジャズのフルートって絶対いいでしょ? あれが習いたいの」って思わず興奮する。ソロのアドリブが入るたびに、バンドの仲間たちが嬉しそうに顔を見合わせて笑ってる。いいなあそういうの、ってこっちまで嬉しくなる。 アルト・サキソフォンを聴くとホーニーな気分になるって Dr. チェンが笑う。 「そうなんだよね。女のオーガズムがどういうのか聞かれると、『アルト・サキソフォン』って答えるの」ってわたしも笑う。 「あなたの曲にサキソフォン使って欲しいな。サキソフォンってエッチだから好きなの」って、ずうーっと前にあの人に言ったことがある。急になつかしくなってグローバー・ワシントン Jr. の新しいアルバムを買ったとき。突然死んじゃったこと知らずにいてそれが最後のアルバムだった。 明日仕事なのに、2時までジャズ聴いてた。楽しかったし、満たされた。 ディーナに会うと、いつもいいことがある。 -
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