航海日誌

2001年11月02日(金) 遺品

どうも日記をまとめて書くというのはどうなのかと思うのだけど。

今日は祖父母の家へいきます。
つうか宗教上の都合で母に便乗するのだけど。

祭です。

この時期、南伊豆は村ごとの祭があります。
道路を交通規制して、みこしをかつぎ、舞いを舞う。
そういう、神儀。

男達は朝から一升の酒をかぶり、町中を練り歩く。
女は家で宴会の準備をする。
笛が歌い、
太鼓が踊る。

おかしな空間。

小さな町の、男達が都会から帰ってくる。
老いも若きもこの祭りに帰ってくる。

バカばっかり。

息が白くなる寒さの中で、潮騒が聞こえる。
月はこうこうと長い海岸線通りを照らす。
男たちはみこしをかつぐ。

祖母がいった。
生まれた時は「お宮さん」で、
死ぬ時は「お寺さん」

どっちも大切な、

若人が下手な太鼓をたたく、
先輩が得意げに技を披露する。
それでも「うまい」という。
下手でも「うまい」という。


そんな中。あたしはカメラを構える。
茶パツの軟弱兄ちゃんに興味はないの。
気合い入れてたたかないと、撮らないわ。
酒で声がかれても、まだ動ける。
「心」が
入った音でなければ撮らない。
あたしは、ぜったいに動かない。

どん、どんと湾にこだまする太鼓の音。
はやしが響き渡る。
男達の声、女達の声、入り交じる。

押し合い、へしあい、宮をあがる。
かけあがる。
みこしを担いで、我先に、いいや、
ひきずり下ろして。
宮の階段をあがる。

寒くて寒くてこれでもかってくらい寒くて、
酒が飲み足りない。
神経だけはさえていく。

シャッターを切る。
横から押される。
ずれる。
後ろから倒れてくる。
押しかえす。
シャッターを切る。
知るものか。
見ているんだ。
ほら、いっちまえ。どこでもいいからいっちまえよ。
邪魔だ。
頂点を目指せ。
シャッターが。


小さな小さな町。ほんとに、小さな町の。
祭。



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ちなみにこの後風邪をめして、鼻水だばだばになってそれでも風呂に入りたかったので無理矢理はいって、髪の毛あらったら寒くて寝つけなかった。
寒い。
冬だ。


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