QP-Days
くづき



  レ・ミゼラブル in Concert

コンサート形式での「レ・ミゼラブル」。東宝の公式サイトなどでの公演前の
情報だとズラーっと並んだマイクの前にキャストが立って歌ったロンドン10
周年記念コンサートと同じ形式みたいです。衣装はつけるのかなー?アンサン
ブルさんは何人くらい入ってくれるかなー?と期待半分、不安半分。
初日では幻のキャスト復活などもあってかなり盛り上がったと聞き楽しみにし
て劇場へ行きました。

本日のキャスト組み合わせ。

別所バルジャン/今ジャベール/マルシアファンティーヌ/ANZAエポニーヌ/
河野コゼット/泉見マリウス/坂元アンジョルラス/三遊亭テナルディエ/
瀬戸内テナ夫人

各キャストさんはそれぞれの衣装着用でシーンごとに着替えもあり(^^)ス
テージ手前並べられたマイクに向かって自分のパートを歌う形。自分の出番以
外はステージ上の椅子に座ってそのまま待機状態なので、その時のキャストさ
んの様子もチラチラ見てしまいます。
オーケストラもステージの奥にいるので舞台と客席の距離がかなり近い印象で
す。指揮はお馴染み塩田さん。
舞台の一番奥にはスクリーンが吊るされていてシーンの説明や本舞台の写真、
歌っているキャストさんの姿などが写し出されました。全編通していろいろな
シーンがカットされたダイジェスト版なので簡単な説明が入るんです。それで
もかなーり端折った説明なので原作や本舞台を知らずに、このコンサートだけ
観た場合はちょっと判りづらいかな?(特にエポニーヌはいきなり出て来てマ
リウスに片思い状態なんですわ)
衣装替えが最低限なので、最後のマリウスとコゼットの結婚式〜エピローグで
二人が普段着のままだったり、列席者が庶民服だったりというのがちょっと残
念。

★別所バルジャン
別所さんのバルジャンはミュージカルというよりも密度の濃いストレートプレ
イを観たような満足感を与えてくれるバルジャンです。マイクの前に立って
歌っている訳ですが、表情や手の動き、身体の向きでかなりお芝居してる別所
さん。スクリーンに顔がアップで映るので普段より細かい表情が見えちゃいま
すね(^^)台詞のようにとても感情を乗せて丁寧に歌っていく感じが好きで
す。物語が進むに連れてだんだん姿勢や声が年を取っていくのがGood!エピ
ローグでのちょっと枯れた感じの声でコゼットに語りかける姿に涙がウルル。
ダイジェスト版でも泣けるものだなぁ。
宿屋のシーンでテナが歌っている間はちびコゼットと一緒に後ろの席に座って
待っているんですが、その時にちびコゼットの鼻の頭に指をツンツンして笑い
あっていたりして、かなり好々爺なバルジャンでした。

★今ジャベール
今さんのジャベールは「堅い」感じがします。職務に忠実で全く融通のきかな
い忠犬タイプ。前回の本公演の時よりもそういうイメージが一段と強くなった
感じの今さん。小道具として警棒を持っているのに萌え〜。後ろに待機してい
る時も今さんはあまり動かず、笑わずでジャベールの雰囲気のまま座っている
のも良し!
学生たちに捕らえらた時のバルジャンとのやりとりではお互いマイクに向かっ
ているのにかなり緊迫感のある雰囲気が出ていて良かったです。
「自殺」の途中での自虐的な笑いは今回もありました。ジャベールの絶望感と
やるせなさがその笑いの中に込められている感じがいいですね。最後の「民衆
の歌」でジャベールも一緒に歌っているのが非常に新鮮(^^;

★マルシアファンティーヌ
彼女の「夢やぶれて」はドラマティックな歌い上げ系なのでコンサート形式だ
とかなりハマってます。ファンテの感情をぶつけるような、叩き付けるような
迫力でした。マルシアファンテは薄幸の女性というより、病気にさえならなけ
ればいつかコゼットとも一緒に暮らせたんじゃないかという雑草のような強さ
があるんですね。そこが好き嫌い別れるところかな。
今回の演出で死んでしまった人は客席に背を向けて奥へ退場・・・というのが
あるのですが、ファンティーヌはバルとジャベの対決のシーンの後でゆっくり
と去って行きます。アンサンブルさんたちの座る席の後ろをゆっくりと歩いて
いくシーンにかぶるようにちびコゼットが「雲の上のお城」を歌うんですよ。
「♪白〜い ドーレスのひーと〜」とコゼットが歌うところでファンティーヌ
が袖に消えて行くのが泣けます。

★坂元アンジョルラス
オープニングの囚人の歌から市民役まで席に座った状態でちゃんと参加してい
た坂元さん。中盤からアンジョルラスでセンターへ。黒い髪に黒い衣装。フ
ラットな舞台に他の学生達と並ぶとやっぱりちょっと背が低いのが気になりま
すね。逆に目立つとも言えるんですが(^^;今日の坂元アンジョはちょっと
雰囲気が違う感じがしました。素人集団の学生の中に1人だけプロの兵隊が混
じっているような感覚。妙に落ち着いた雰囲気がそう思わせたのかな?カリス
マ的な魅力で皆を惹き付けるというよりも、実務能力が高そうなアンジョでし
た。
坂元さんも本公演の時よりも伸び伸びした雰囲気と良く響く声が心地よかった
ですね。


2004年07月06日(火)
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