あごあごしい日々 

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 +自慰日記+

正しいなんて思わない。
だから弁護はしないつもりだ。
身も心も千切れそうに痛くなる
レース結果だけが残った。
…でも、嫌いになれない。

記録上の勝利はミハエル。
レースの勝利はバリチェロ。
でも、本当の勝者なんて誰もいない。
5月12日はそんな日だった。

ここ2日の日記で解ると思うけど
私は、ミヒャサイトにしては珍しく?
バリ君を持ち上げていたんだ。

あのパフォーマンス続けてれば
F2002に乗ってさえいれば
表彰台の1番上は狙えると思ってた。
残留の意味は有ると思ってた。

でも、現実は違った。
そんな契約書にサインした時点で
バリチェロは負けていたのかも知れない。

北川エリの中じゃ
「男を上げた」バリ君だけど
私の中では下がってる。
いや、可愛いネェちゃんの
評価の方が重要かもしれんがな★

無線切ってでも
サクッとコントロールライン越えた方が
私の中では『イカした男』決定。

…そんな事はどうでもイイや。

F1に於いて、時々
ミハエル・シューマッハと云う人は
こんな十字架を背負ってしまう。
彼が望んだときも/違うときも
それでも十字架だけは残る。

私は踏み絵を踏まされる。
踏める訳なんて無いのに。

多分、ミハエルが
平然とやってのけられる人なら
好きにはならなかったと思う。

『平然とやっている素振り』
此処がチラチラ覗いている王者に
私は惚れているのだ。

ミハエルは今回も
チーム批判はしないと思う。
一生『あの時あれがチームにとって
ベストな選択』って
言い続けてしまうに違いない。
彼は「悪人呼ばわり」されることを
あんまり恐れないから。
(歓迎もしてないけど)

いつもの如く、私は
【真のミハエリスト】失格だった。

『琢磨が無事ならミハエル負けても良い』

なんて、本気で思ったし。
観客と一緒にブーイングもした(爆)

やり切れない思いを引きずりつつ
それでも瞬時に、
全てを受け入れようと思った。

それは、譲られた瞬間
『それでも好き!!』と噛みしめるように
自分の中で確認できたから。

アンチがF1Fanが騒ごうが!!
全部受け止めようと思う。

私がミハエルに…
あんな「痛々しい勝利者」に
してあげられる事なんて
悔しいけどこれだけしかないんだ。

これもまぁ、アゴオタの選択。
ハッキリ云って自慰。




私はフライト時間を早めて、帰路に就いた。
一刻も早く此処を離れたかった。

起きたことは元には戻らない。
これから巻きおこるメディアの喧騒は
想像に容易い。
覚悟はしている。

でも、今は…
開け馴れたドアを開けることを選んだ。

「お帰りなさい、早かったのね」
「早く戻るときは電話くらい頂戴。
ご飯の支度、まだ出来てないのよ」

「そうだな、次からは気をつけよう」
「夕食はいい。食べる気がしないんだ」

この空気感が嬉しい。
私は荷物をソファに置くと
彼女の背中をずっと目で追っていた。

「…何も聴かないんだな」
「聴いて欲しいの?」
「…いや」

「私にとっては、今目の前にいる
貴方が真実。それで良いじゃない」
屈託のない笑顔。

「ご飯食べないのなら、何か飲む?
色々買ってあるから。どれが良い?」

『何でも良いよ』
私は眉根で合図をする。

彼女はテキパキと
オレンジジュースの瓶を開けた。

そうだ、こんな日は眠るに限る。
暖かい腕の中で。

私は差し出されたジュースを
飲み干しながら、そう思った。



うーん、やっぱ自慰だ(爆)



2002年05月12日(日)
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