そうそう、
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姉の付き添いなしで、電車に初めて乗ったのは確か小学2年生コロ。
行く先は菊名の図書館。
母に渡された500円が大金に思えた。
泥棒に狙われたらどうしようといったら、笑われた(プンスカ)。
友達と二人、急行でひとつ。菊名まで。
通過駅は大倉山。
クヤクソの町。
大学を出るまではあまり降りる事もなかったけれど。
ここ10年、結構通った。
改札をくぐる毎に心の持ち用はサマザマで。
今でも、改札から区役所までの道のりを、
モチベーションをあげつつ、歩く。
菊名の次は、妙蓮寺。
夏になれば、姉のオマケで連れてって貰った
妙蓮寺プール。ションベンプール。
売店のラーメンの長ネギが辛かった。
帰ってきたら、冷房の効いた部屋で姉と二人
泥のように眠った。
今も同じ部屋で寝ている。
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白楽、
東白楽、
未だに降りる事がない通過駅。
反町は、
高校の時の友人が住んでいた。
その友人と3人、おせち料理工場でバイトしたな。
とぎれることなくやってくる、
煮豆、黒豆、栗きんとん。
ベルトコンベアは容赦ない。
ここも今では地下駅に。
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反町すぎれば、横浜で。
よこはま。
夕暮れラッシュアワー、登りホームは帰途を急ぐ人でいっぱい。
今にもこぼれ落ちそう。
下りホームでは大量の人が電車からはき出されては、
階段に吸い込まれていく。
使う人の量に対して、古びた懐かしいような庶民的なホームだったよな。
昨日いってみれば、もう小綺麗な地下駅。
苦手な蛍光灯満載の構内。まぶしすぎる。
夕暮れのもの悲しい喧噪からは遠い。
改札を出てみれば、ここはどこなの?どこにおろされちったの?
迷う人々、の群れと一緒にうろうろ。
かつての改札は。
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桜木町までの間についでにつくられちったの?高島町。
っていうくらい、いつも人がいなかったのに。
一昨日おりてみれば、駅にあふれんばかりの人人人。
こんなに人がいるのはじめてなんでないかい?高島町。
ここのホームにこんなに駅員がいるのをみたのも初めて。
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終点、桜木町。
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高校生のコロ、ミュートマ(TVKの音楽番組)の間の
CGでつくられた「みなとみらい計画」のCM。バックのベースの
音が気になった。じゃなくって、ほんとにそんなものがあそこにできるのか?
と思っていた。だって、それまで桜木町はなんとなくどんより灰色な
磯臭いオフィスがひしめいた印象だったから。
計画をたてた市長はなくなってしまうし。あんなにビルたてて、
テナント埋まるの?と思ったモノだけど。
今では、立派な人だかり。
去年は3ヶ月ばかり、通学に使わせて貰った。
改札でいろいろな人と待ち合わせをしたな。
縁があって、そして縁がなかった人たち。
でも、確かにいつもその時は楽しかったから、
帰りのエスカレータはわくわくした気持ちだった。
そのせいか、エスカレータを登って広がるホームの風景は、
すがすがしく、広々として好きだった。
うまれてこのかた、横浜方面の終点は「桜木町」だった。
みなとみらい線の計画は、あんまり前からありすぎたせいか、
なんとなく、いつまでたってもまだ先の話のような気がしていた。
いつまでも工事中みたいな。
でも、やっぱり時間は流れてるんだわ。
終点は「桜木町」だった。
たぶん多くの人にとって。
だって、30日はすごいひとだかりだったもの。
好きな風景がなくなるのは、みんな寂しい。
最後の桜木町は
風景を写真に納める人でいっぱいの桜木町だった。
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