くもりときどき、はれ。
そら



 価値のなくなった鍵。

あの人が住んでいた
アパートの近くを通ると酷く拒絶反応を示した。

胸の奥からいろんなものが吐き出そうなくらいに
ムジャムジャとムカついて混乱して
いてもたっても居られなくなる。


今日も車の点検があったから
あの道を通らざるを得なかった。


でももう居ないんだ。


ここにはもういない。



ここから東京までどの位の距離があるのでしょう。


それとも横浜にいったの?



どこ?


あなたどこにいるの?



解らない不安。

復讐を与えられるチャンスを失い
価値のなくなった部屋の鍵。


呆然と、握る私…。


どうして使えなかったのか。


ひろあきが私に鍵をくれた時は
ひろあきは私だけのひろあきだったのだろうか。


多分そうだった。


私だけ想ってくれてた時期だった。



いろんなことに悩んで好きになって
それでも一緒になっていいか悩んで
やっと幸福を味わえて
この人と結婚すると私は決めてたのに。


何もかもがなくなってしまった。


何もかも。


価値がなくなったこの鍵のように
ひろあきにとってそらは価値のない人間になったのかしら?


今の奥さんの方が価値が見えたの?


一体私の知らない間にどうなったの?


一生知らないままなんですか私は。



ねぇ神様。



知らないままだなんて私嫌です。



それだけ嫌なものはありません。




父親のことは全く知らない。

どんな人か
どんなことをしているか
どんな声なのか顔なのか

実の父親で生きているのにあったこともない。


別に私そんなことどうでもいいの。


嫌なの!一生何があったのか解らないままだなんて。



このままおとなしく引き下がるのなんて。



絶対に嫌なんです。



あなたには解らないのよ。



解るわけがないのに

あそこで働いて、家族の為に働いているんですか。



それはひろあきたち家族にとって幸福だとしたら


私は彼らの離婚を望みます。



家庭が離婚まで崩壊してくれとは今まで思いませんでした。



でも、考え変わったわ。



ここにあなたたちは居ない。


それがちょっとほっとはしたわ。


だけどね


一生ほっとなんかしないのよ。


どんなことしてでも離婚してもらう。



こんなことに熱をあげて
何をしているの?


そう想う?



私は知りたいし
もう一度ひろあきに会いたいの。


そこに執着しないと生きていけないの。

納得出来ないのよ。死ねないしね。


生きることも死ぬことも出来ない。


私の熱はそこに集中している。





恋愛も大事かもしれない
好きかもしれない人を掴みたい。



でも


私の執着は、心の傷。


知らないことを扉を開けて自分も知るべきだと想う。



逃げさせない。




ずるい人を私は逃がさないわ。








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2004年08月22日(日)
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