今でもこそ普通のお嬢さんちっくなワタクシだが、ほんの少し前まではガシガシに突拍子もない色に髪を染め、季節感希薄な服で出歩いていた。 街頭アンケートにとっつかまった場合……「え〜っと……美容師さんですか?」「あ〜、アパレル関係ですか?」と考え考えの言葉で問いかけられた。 夕方になると、「おねーさん、何処の店?絶対ウチの方が給料良いよ!」と言葉の種類が少々違っていたが。 そんな“プチ不審人物”だったワタクシ。何故か、声を掛けられ呼び止められることが多かった。
先のアンケートはモチロンだが、一番多いのは「○○へ行きたいんですけど、道を教えて下さい」という、お尋ね系。 道に迷っているからせっぱ詰まっているんだろう、通りかかった人に訊ねる!それは分かる。ただね、朝のラッシュ時、人は電車のホームから溢れるほどいるのだ。もっと、堅気な外見を持っている人はそれこそ掃いて捨てるほどいるんだ。もっと人を選べるはずなのに、そんな状況で、なぜ、ワタクシに声を掛けるんだ!?
こんなアホアホで、一見して胡散臭い人物に、朝の貴重な時間に声を掛けるほど、せっぱ詰まってたんですか!?
「みんな堅気で忙しそうだから、暇そうに見えるあんたを選んで声を掛けてくるんじゃないの?」 ある意味、選ばれた人なのだな、ワタクシは。……そんな選ばれ方、あまり嬉しくないが。
その為現在、平々凡々に埋没できる黒髪でいる。一見、普通のお嬢さんちっくでいる。……なんてわけは断じてない。単に手入れを面倒がっているだけなのだ。
また別の友は言う。 「気にすることないよ。黒髪だろうが、普通の服だろうが、胡散臭さは変わってないから」 ……それ、誉め言葉じゃない。
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