◆心の鏡◆
楽しいことを中心に日々の思いをつらつらと…

2004年04月25日(日) トラウマ

「夕日がせなかをおしてくる」

3年生の娘が、国語で詩の単元に入った。
同じ題材。かつて私も3年生で習った。
娘の朗読を聞くなり、ある感情が私の心を支配する。
先生に「うそつき」と濡れ衣を着せられたことを思い出してしまった。

当時8〜9歳の私は、授業でこの詩を上質紙に清書し、
イメージする夕日の挿絵を色鉛筆で描いた。
それを、授業中に完成できなかったので、宿題となり、
翌日、先生の卓上の箱に提出した。
ところが、その翌日先生が、
私の事を「宿題を忘れて知らん顔をしている」とクラスみんなの前で言った。
「出しました」と言っても、取り合ってくれない。
「忘れたなら忘れたと正直に言いなさい」と怒られた。
でも、出したものは出した訳で、家に帰ろうがもう無い。
私は頑張って「ちゃんと出しました」と言った。
先生は「アンタは意地っ張りや」と言った。
…家に帰って泣いたなぁ。
だって、何度言っても頭ごなしにうそつき呼ばわりだよ。
校長すら恐れる、怖いベテラン女教師だった。
数日後、先生が提出物を返還する際に、
私のその「夕日がせなかをおしてくる」が返ってきた。
持ち帰って母に見せると、
「もう一度持って行って”コレのことですよ”と言いなさい」と言われた。
翌日、勇気を出して、先生に言った。
私が期待したのは「あとから出てきたよ疑ってゴメンね」と言う言葉だった。
がしかし、彼女が言い放ったのは、
「失くしたくせにあとで見つけてこっそり先生の机に出したんやろ!」
「アンタはしつこいな」だった。
泣いたなぁ。悔しかったなぁ。
それでも毎日休まず通ったもんね。
先生を信頼せずに、目立たないように目立たないように過した3年生だった。
今じゃありえない風景だね。こんな事問題になるよね。
私はこの先生に、字を書くことを鍛えられたし、ことわざを沢山教わった。
だけど、先生も「人間」で、性格の悪い人も居ると悟った。

これ、忘れられずにずっと抱えている傷なんだね。


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◆葉月◆ [MAIL]

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