実習


 過去 : 未来 : メール 2004年05月31日(月)


3年生がカナダに言ってる間に、コミュニケーション障害でカナダへ行くのを拒んだ彼女との家庭科の時間をとった。

今まで洗濯機の使い方を知らなかったのでジャージを洗ったり、洗顔がきちんとできないので毎日洗顔、歯磨き指導をしたりと、なるべく生活に密着したことをやるようにしていた。

この10日間の間に二回の家庭科の時間。

一回3時間。
調理実習をすることにした。

一回目:ミートソーススパゲッティ
二回目:クッキー

今まで料理はあまりやったことがなく、林檎の皮むきすらできない。
缶詰を開けることもできない。

でも卵焼きはできると言う。

ミートソースを作る時にたまねぎのみじん切りをさせたら涙が出る事をすごく不思議がった。

「どうして涙が出るの?」

と何度も聞いた。
その日の日記にもたまねぎのことを書いていた。

やることがとてもスローなため家の人はあまりいろんなことを彼女にやらせていない。
何か指示して、うなづいたと思ったら全く違う事を始めてしまう。
そういう彼女を親はぐっと我慢して待つ事ができないようだ。

二回目は家でも簡単に作れそうなクッキーにした。
泡だて器を使ったり、卵黄を取り出したり、重さを測ったりとすべて一人にやらせたが一生懸命やっていた。

不器用だけど時間はかかるけど最後までやりきった。

オーブンを使って50個近いクッキーができあがった。
紅茶を入れてランスと私と3人でティタイム。

家に持って行く分を袋に入れてあとは職員室へ。






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おい。

そのクッキー返せ。


たくさんの先生に「おいしいねぇ」と言われて彼女は本当に嬉しそうだった。
「ウフ、ウフ」といつまでも笑っていた。

クッキーと、余り物で作ったケーキはあっという間になくなった。
「明日食べる分」と言って机の中にしまっている先生もいた。

「認められること」は今の彼女にとって大切なこと。

彼女のお母さんにはなれないけれど、せめてお母さんがいたら出来ただろういろんな経験をさせたいと思う。




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