一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。


My追加
目 次過 去未 来


2003年11月17日(月) その41

その41

大将が奥に引っ込んでるとき、逆三角形のみんなが,なにやら話してるのを聞いてると、どうやらポスターの全日本大会の事らしく・・・。

「今度は大将は出るのかなー」

「いやーもう年やでー絶対でーへんと思うで!」

「でも、大学のときは学生選手権で四位とか五位とか言うとったやろ!」

「アホか学生と社会人といっしょにすな!」

「せやけど今度で9回目やろ!もうあきらめてるでー」

「それもそーやな」

「それでも、大将はお父さんに憧れて今日までやってきたんやろ!」

「入り口にある、あのお父さんの写真をいつも大将は見てるんやろなー」

「そう思うとやっぱり、全日本で入賞したいやろなー大将!頑張れやな!」


大将が奥から出てきた・・・

「みんなーちょっと集まってくれ!」


みんなが大将を取り囲むように集まった、

「これから、もう!カップラーメンは食へんで!何故かと言うと」

「今度の全日本大会で引退する!最後の大会にする!」

「みんなには初めて言うけど、俺はもう9回も挑戦してきた!」

「あれ?みんな知ってたんかいな・・・10回を区切りにやめる!」

大将の目が潤んでいました、父との約束を果せなかった、せいなんだろうか

すると、大将を取り囲んだみんなの中から、


誰となく、一人が、パチパチと手を叩きだした・・・すると、みんなが叩きだした、不思議とみんなの心が一つになった、

「大将!大将!頑張ってください!頑張ってください!」



大将は泣いていた・・・下を向いて肩を震わせてた・・・。



          またこの次


一平 |MAILHomePage

My追加