「おおむね12歳以上」の少年を、家裁が必要と判断すれば 少年院に送ることができる、という改定案が衆院を通った。 「おおむね」という語には、要するに中学生以上でなく、 小学校5、6年生でもそれはありうるという意味のようだ。 7年前に14歳に引き下げられた最低対象年齢がさらに引き下げられた。
私はこの問題に対しては、なかなか複雑な思いである。 罪もない人を殺したり、無差別に危害を加えたり、迷惑をかけまくったり、 それを楽しんでへらへらしてるようなやつは、 おとなであろうが子どもであろうが、何歳であろうが、 社会からしばし隔離してやらなければならない、というのが正直な気持ちだ。 その「しばし」が終身になってもしょうがないとさえ思う。 この点では今回の少年法案よりも過激なのかもしれない。
しかし、少年院とは実際どういうところなのか? 今までに聞いて漠然とイメージしてしまうのは、却って箔を付けるところ、 若くして「前科者」のレッテルを色濃く体現してしまうところ、、? 中で実際どんな生活が送られているのかはわからない。
ちょっとググルってみたところではあまり具体的体験談はないのだが、 例えば「少年院は彼らを更生させたか」には、 鬼丸慶一郎という体験者のこんなコメントが書かれている。
「少年院は罪を償う施設であっても、更生する場所ではない」 「俺はコレだ、と熱中できるものに出会えたからよかった。 でも、そんなきっかけを見いだせないヤツは、また同じ事を繰り返す。 生き方が不器用だから、鬱憤(うっぷん)をどこにぶつけていいか わからなくて周囲に八つ当たりしてケンカをしたり、クスリにハマるんです」
「たかが少年院〜その後の人生」と題されたサイトの、 「筆者の過去」には救護員で悪知恵を蓄え、少年院で反省しなかった、 「オトナには理解不可能な価値観」の経歴が綴られている。
一方で、「私は少年院に通っていました」は衝撃的だった。 理不尽ないじめに遭い、親も教師も助けてくれないので、ナイフで闘った。 いじめグループのリーダーは重傷、副リーダーは死亡、、、 それで1年半少年院で生活したということだ。 現在は大学院生だそうだが、家族はひどい状態になってしまった。
こういうのは「凶悪犯罪」というのだろうか? この話が本当なら、凶悪犯罪はいじめの方で、殺傷は正当防衛に思われる。 しかし、法というのは、そういう風には機能しない。
刑罰の低年齢化という数字上の問題よりも、 問題にしなければならないことが他にあるようだ。
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