TENSEI塵語

2005年06月23日(木) 千人の娘

妻は生クリームのドバッとのったケーキが苦手で、
若いころ喫茶店などで、ケーキといえば〈ミルフィーユ〉を頼んでいた。
薄い破片のようなパイ生地が何層にも積み重なっていて、
全体を数段に区切るように薄くクリームか何かが挟み込まれている感じだ。
私はそのケーキを見ていつも疑問に思っていた。
なぜこれが mille filles 千人の娘なんだろう、、、と。
ある時その疑問から解放された。
millefeuille という綴りを目にしたからである。
娘じゃない、葉っぱだ、「無数の葉っぱ」だ。
謎が解けてみれば、これは実にみごとな命名だと感心してしまった。

由来のわかりにくいお菓子の名前はいくつかあるが、
きょう、あるきっかけで思い出したのが〈モンブラン〉である。
Mont-blanc は、日本語で言えば、「白山」という感じである。
英語でいえば、Mt.White となるのであろうか、、?
しかし私は表面の真っ白いモンブランを見たことがない。
上部を覆っているのはマロンクリームらしくて黄色いのがほとんどだ。
山状に作られているのは認めるから、Mont-jaune と命名すべきだろう。
元祖モンブランは、あのマロンクリームの上に、
真っ白の生クリームをドバッとのせていたのだろうか?

もっとも難解なのが、〈ショートケーキ〉である。
昔、何メートルもの長いケーキを作って、それを小さく切ったから
ショートなのだろうか?
それにしても、何とも味気ない命名ではないか。


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