| 2005年05月29日(日) |
「デセプション・ポイント」 |
きょうは模擬テストの監督にあたってしまって、出勤した。 これは休日を拘束されるという点では些か厄介ではあるが、 そう悪くない仕事である。 問題配布・答案回収と、教室を無法地帯にしないことが仕事で、 定期考査のようにカンニング防止に神経をつかう必要がない。 その点については、生徒の自主規制を援助する程度の役割でよい。 だから、日ごろたまっている仕事を教卓で片づけるいいチャンスである。 この4月から、休日出勤して仕事することの多かった私にとっては、 それが自由意志でなく、出勤を依頼されたついでに個人的仕事を片づける 機会を得た、というだけの違いである。
試験時間は長い。 英語100分、国語100分、歴史60分という時間割である。 2限目の国語の半ばには当面の雑用は片づいてしまった。 それであとは読書にした。
先々週からダン・ブラウンの「デセプション・ポイント」を読み始めたが、 3、4日おきくらいに1時間弱の時間を何とか確保できるていどで、 なかなか思い切って読書に時間を割けるような毎日ではない。 深夜にちょっと時間が空いても、そのころは目のぐあいがよくないので、 活字を追うのはなかなか骨が折れるものだから(老眼が進んでいる)、 DVDを楽しむ時間になる。 だから、こういう時間はたいへんありがたいのである。 教室の中にはいなきゃいけない、しかし生徒をにらみつけている必要もない、 至急にやるべき仕事もない、読書でもしているしかない、という時間は。。。
「デセプション・ポイント」はダン・ブラウンの前2作と違って、 キリスト教色のない世界の物語である。 今のところ、大統領選の攻防と、NASA の地球外生命体発見の2つを核に、 ワシントンと北極で物語が進行している。 現大統領が、次期大統領選の劣勢を、NASA の大発見で優勢に転じようと しているが、その大発見も何やら疑わしい気配になってきた。 ヒロインの国家偵察局局員レイチェルと、おそらく物語上の 今回のヒロインのパートナーとなる海洋学者トーランドは、 そのNASA の大発見の証言者として北極に招かれたが、 その「大発見」の作為に気づいた時にはもう命を狙われる運命に転じた。 今、トーランドの機転により、特殊部隊の目前から逃れて、 宇宙物理学者コーキーを含んだ3人が、北極の氷上をあてもなく滑走しているところである。。。 ワシントンでは、NASA の「大発見」の記者会見を前に、 次期大統領候補の上院議員セクストンの秘書ガブリエールを、 大統領顧問のテンチが周到なる資料をもとに落とそうとしている。。。
これまで、題名の意味についてはほとんど気に留めていなかったのだが、 デセプションってなんだっけ、、、と綴りを思い浮かべてみると、 何やら「欺」という漢字がまとわりついている。 もう四半世紀も英文なんてろくに読んでない私の単語力はこの程度である。 受験の時に覚えた英単語の遺物がムードとして漂っている程度のものだ。 カシオの辞書で確かめてみると、「だますこと、だまされること、詐欺、 ぺてん、、、」などとある。 「欺瞞点」?? ではよくわからない。 訳者あとがきを読んでみたら、訳者は「欺瞞の極点」としているようだ。
「政界における権力の極点と呼ぶべきワシントンと文字通り地球の北の極点、 そのふたつを主舞台として欺瞞と欲望に満ちた人間模様が繰り広げられる」
それにしても、国家の秘密機構といい、宇宙物理学といい、古生物学といい、 海洋学といい、今回も特殊な知識を駆使した物語だが、 小説を読む楽しみをまったく損なわないわかりやすい説明は相変わらずである。
|