TENSEI塵語

2005年01月09日(日) 仕事のつきあい

今夜はおひまちで、去年に引き続き私が出席した。
厄介な集まりではあるが、年に3時間ほどのこの集まりで、
とりあえず町内のつきあいの大方が果たせるなら、安いものかもしれない。

私の家の真向かいは、ある銀行の社宅で、4世帯が暮らしている。
その中のひとりが、去年に引き続き出席していて、しばし話していた。
彼はここに来て3年半になるが、あと1年半で転勤になるだろうという。
大体5年と決まっているのだそうだ。
全国ネットの銀行だから、日本中のどこに動くかわからない。
もちろん、子どもも転校を余儀なくされる。
子どもが小学校の高学年〜中・高生でないと単身赴任も認められないという。
15年目の近場への転勤にぶつぶつ言っていられる我が身の気楽さを思った。
それにしても、会社が、単身赴任を認めない、とはどういうことだろうかと、
今書いているうちに不思議な感じがした。
転勤を命ぜられて、子どもも転校させるか、今の学校に通わせるかは、
家庭の自由であるはずだ。
もちろん、単身赴任はできるだけ避けたいという思いは多くの人に共通する
と思うのだが、会社がそれを認めない、というのはどういうことだろうか?
今度会ったら聞いてみたいものだ。

ところで、この社宅の4台分の駐車場には、BMWが4台並んでいる。
なぜどの家もBMWなのか、たまたま趣味が一致したのか、
同僚同士で影響し合った成り行きなのか、見栄の張り合いなのか、
とにかくものがものだから、かなり以前から興味ある問題だった。
それで、彼に、どうしてあんな高級車ばかり並んでるの? と
冗談めかして尋ねてみた。
それは、銀行の取引先とのしがらみによるものらしい。
その商売上のつきあいの中で、個人的にも圧力がかかるわけだ。
つまり、銀行員でありながら、販売の手伝いも要求されることがある。
軽い紹介程度のことかもしれないが、その対象が見つからないとなると、
1台買ってよ、という感じになり、もう他では変えなくなる。
彼はここに来る前の宇都宮の時に、中古を買ったのだそうだ。

それは車だけではない。
スーツにしろ、食品にしろ、支店や個人にノルマがかかる。
最近の話だと、青森のりんごだとかおせち料理だとか、
そういうものも、支店でいくつさばくというようなノルマができてしまう。
りんごはいくらでも食べられるからまだいいとしても、
転勤族がほとんどの社では帰省する人が多いから、
おせち料理をさばくのはなかなかたいへんらしい。
しばしば持ち込まれるそういうノルマもこなしながら、
本業の金融業にも精を出しているということなのだろう。

そんな話を愚痴っぽい口調でなく淡々と説明する彼に感心してしまった。
我々の職場もいろいろな点で厄介なことがどんどん増えてはいるけれど、
しがらみという点では、実に気楽な職場ではないか。


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