TENSEI塵語

2004年09月21日(火) アレチヌスビトハギ

TVを見ていたら、NHKニュースの最後に、京都のあるお寺に咲いている
という、酔芙蓉の花を紹介していた。
朝は白い花だったのが、時間が経つにつれピンク色に染まって行くそうだ。
花も不思議だし、名前のつけかたも、何とも粋ではないか。

で、もうひとつ、最近見たピンクの花を思い出したのである。
先週の木曜日に学年の活動で草取りをやったのだが、
ピンクの花をいくつもつけたやや丈の高い植物を指して、
「これ雑草? 抜いちゃっていいの?」とおばさん先生に聞いてみた。
「あ、それ、憎たらしい草だよ。種が服にくっついて取れないの」
そう言われてよくみると、小さい種の袋みたいなのが連なっている。
今はこうしてかわいい花をいくつもつけているけれど、
1学期に草取りをやると、軍手にもジャージにもびっしりくっつくやつだ。
自宅のそばに借りている駐車場にも繁茂していて、
草刈りをすると新品の軍手もすぐお払い箱にしなきゃいけなくなる。
確かに厄介な雑草である。

それを、きょうも見たのである。
最近は学校の周りを煙草を吸いながら歩く機会が増えた。
自然と、植物や虫たちを観察する機会も増えてきた。
きょうは、草を抜いてしまうのが仕事ではなかったので、じっくり見た。
なかなか味わい深い花である。
こんなかわいい花を、迷惑な雑草扱いしては申し訳ない気分である。
そして、思った。
名前がわからないということの、疎遠な不安定さを。。。

酔芙蓉に刺激されて、その花の名前を知りたくなった。
植物図鑑などなくてもグーグルの検索で調べられそうだが、さて、、、
どういうキーワードをいれればいいのだろうか、、、雑草? 草花?
草取りの時に、生徒が「ひっつき虫」などと呼んでいたので、
冗談交じりで「ひっつき虫」で検索したら、
「ひっつき虫」系の植物を集めたサイトにすぐに入れた。
「ひっつき虫」が公用語になっているとはますます驚きである。

問題の草花は、アレチヌスビトハギという、呪文のような名前だった。

「アレチヌスビトハギは北米原産の帰化植物。高さ1m程になる多年草。
 路傍や造成地などの荒れ地に生育し、次第に増えているように思う。
 葉は3小葉からなり、葉の上面には毛が少ないが、下面には毛が多い。
 茎や花軸にも毛が多く、全体的に毛が目立つ植物である。
 9月頃から長さ6〜9mmの美しい紫色の花を咲かせる。
 果実は扁平であり、3〜6に分かれ、間には節がある。
 表面はかぎ状に曲がった毛が密生しており、
 熟すと節から分断されて衣服などにひっつく。
 気づかずに荒れ地を歩くと、びっしりとくっついてしまう
 やっかいなひっつき虫である」


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