修学旅行最終日は、洞爺湖畔〜登別〜空港と回るコースである。 70名ほどの生徒はふきだし公園なるところに行ってラフティングであるが、 5000円もかかるので、希望者にしか体験させられないということで、 それ以外の生徒は、サイロ展望台に行って、 ラーメン・アイスクリーム・バターなどを作る体験実習である。 私としては、そんなことまでさせなきゃいけないのか、甚だ疑問だが。。。
昨夜は3時間も眠っていない。 同室の人が朝5時に起こしてくれたので、12階の温泉につかりに行った。 せっかく12階に作られていてもいい眺めでないのが残念だったが、 外の浴槽につかっていると、頭や顔がひんやりして実に気持ちよい。 寝不足などぜんぜん感じないほど頭が冴えきった。 バスの中では同乗の先生と多くの生徒は眠っていたようだが、 私はバスガイドの話を聞きながら、風景を楽しんでいた。
走っているバスの中から見えた羊蹄山(蝦夷富士)は、 確かに富士山そっくりで、全身雪に覆われていて、壮観な姿だった。 ただ、形は似ているけれども、美しさにおいて似ても似つかないのは、 富士山の美しさが裾の広がりにあるからだ。 太宰が、あれだけの裾野を持ってたらもっと高くなきゃいけない と文句言っていた、あの広大な裾野こそが富士の優美の真髄であろう。
昨日とは対照的に快晴なので、その羊蹄山も、洞爺湖も美しかった。 体験実習など、始まってしまえば放ったらかしで景色を眺めていられるのだ。 5000円出してヘリコプター遊覧してやろかしらんと思ったけれど、 これは、引率の仕事で来て万一の事故に遭っては具合悪いので、断念した。
そのサイロ展望台から近くに見える山の上に、巨大なホテルがある。 バスガイドの話では、一泊数十万円という超高級ホテルで、 黒木瞳だとか田中健とか、芸能人がパーティー開くのに使っているとか。。。 また、ランチタイムというのもあって、ランチが8千円とか。。。
登別はクマ牧場に寄ったけれど、ロープウェーに乗ってる間楽しんだだけで、 上に上がってしまうとそうどうということもなくて、 生徒たちも昼食をとったらぐるっと回ってさっさと下りてしまったようだ。 空港に向かうついでに寄っただけのことで、昼食兼時間つぶしである。 温泉に泊まらなければほとんど意味ない場所であろう。
帰りの飛行機はいい時間帯に乗ったかもしれない。 東北地方一帯は曇だったらしいし、乗って1時間ほどで日没だった。 下に見える景色が雲海ばかりでも、その姿はさまざまだから見飽きない。 その雲海も、やがて朱に彩られた。 雲が晴れると、沈みかけた陽の淡い光が海に映えた。 佐渡・能登半島・飛騨の山地などを薄暗い中に見つつ、 到着前は、尾張の夜景を広々と眺めた。 どこやらの山の上から眺める夜景とはぜんぜん違っている。
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