めちゃくちゃになってきた。 渡航禁止を法制化しなきゃいかんなどとまで言い出している。 名目は安全のためだが、それは同時に、 真実を伝えようとするものを、真実に近づけさせないということにもなる。 これを機に、大本営発表の時代に戻そうというのか。 政府の連中は盛んに、志が立派なのはわかるけれども、 退避勧告が出ている中で、自分の行為の責任はしっかりわきまえよ、と 実に迷惑そうである。
「イラク攻撃を支持します」と自衛隊派兵がこういう事態の原因なのに、 そういう反省はいっさい彼方に追いやってしまって、 しゃあしゃあとこんなことを言ってのける神経がおそろしい。
その政府の連中がひれ伏しているブッシュ政権の国務長官パウエルの、 3人の人質に関するコメントだけは、まったく違っている。
「日本人は彼らを、自衛隊と同じく、誇りに思うべきだ」
危険を承知で行動する勇気がなければ、何ごとも前に進まない、 彼らの行動も、自衛隊の派遣もその点では同じだ、という要旨だった。 私はこの1週間、日本政府も迷惑そうだけど、 米政府もさぞかし迷惑がっているだろうし、 小泉クンはじめ政府の連中、針の筵だろうな、と思っていたので、 パウエルのこのコメントはかなり意外だった。 この違いは何だろうか? 個を尊重する国民性と、個を軽視する国民性の違いだろうか? 日本では、お上のすることに従わないやつは、ただのバカだ、ということだ。
クバイシ師が、小泉首相へのコメントとして、こう言っていた。
「私たちは、あなたよりも、日本人の生命を大切に思っています」 「今のファルージャは、広島や長崎よりも悲惨なありさまです」
これは、自分が解放のために尽力したのは、日本政府のためでなく、 実際にイラクのために働いてくれる日本人と、 米軍支援に来ている自衛隊撤退のために運動してくれた日本人のためだ、 と、言いたいのではないだろうか。 3人が託されてきた声明文の中でも、解放の理由として挙げられていたのは、 そういう内容だったらしい。
昨日、さまざまな方面から解放の呼びかけがあったにせよ、 結局は、アメリカの駆け引きの賜物なのかな? と考えたりもしたのだが、 実際に出てくる言葉は違っているようである。
今夜は楽譜書きの仕事にかまけて、報道番組を少ししか見れなかった。
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