定演前夜に書くのは初めてのようだ。 定演前夜の不安は、不思議にも演奏会自体の不安ではない。 コンクールに出始めてからの7、8年間や、 こうして市吹や部活で演奏会をし始めた数年間は、 10日くらい前から緊張で震えたり、寝そべってのたうち回ったり、 神経が絶えずピリピリして、胃の痛い思いをしたものだが、 ここ数年間はそういう苦しい思いに悩まされずに過ごせている。 定演前夜の不安は、朝ちゃんと起きれるかということと、 忘れ物をせずに出かけることができるかということである。 演奏がどうなるかという悪夢にはもう悩まされない。
きょうは、例年のごとく4時ごろに会場に入って、 すでに設営の済んだステージの上の配置をチェックして、夕食に出て、 例年より30分早い6時から練習を始めた。 いつもそうだが、会場で練習するときは、客席で指示を出して客席で聞く。 客席でどう聞こえるのかが最終的な勝負だからだ。 大半は計算しておいたように聞こえるけれど、所々誤算がある。 その修正はなかなかたいへんだ。少し工夫するが、妥協することが多い。 この練習を経ておくと、不安が緩和されるのである。
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