2004年03月19日(金) |
保科洋「Memoire」 |
昨夜、「Maid In Japan」という吹奏楽CDが届いた。 最近あちこちのバンドで大人気の作曲家の作品が何曲か入っているが、 どの曲もはじめて聞く中で、私の気に入ったのは「メモワール」だけだった。 昨夜からこの曲を十何回繰り返し聞いたことだろう。 私はめったに吹奏楽の曲を聞くだけの目的で聞くことがない。 たいていは選曲や演奏の参考に聞くだけで、 純粋に聞きたいだけの欲求で聞くことはめったにないのである。 吹奏楽で好んで演奏する曲でも、その程度の魅力しかないものである。 けれども、この曲は、純粋に聞きたくなったので繰り返し聞き、 出会ったばかりのその晩に、もう楽譜まで注文してしまった。
吹奏楽に関わり始めてから20年になるが、 保科さんの曲は7曲、そのうち4曲は2回以上ステージで演奏している。 オーケストラ志向の強くて、吹奏楽しか与えられなくて悶々としていた私に、 吹奏楽もいいもんだと教えてくれたひとつは、彼の音楽である。 オーケストレーションを印象派風に作りながら、心はロマン派である。 印象派的ロマン派、あるいは、ロマンティック印象派と私は呼んでいる。 実に叙情的なメロディーを、印象派風に綴っているというわけである。
しかし、実は最初聞き始めたとき、この程度のメロディーかとがっかりした。 今までの評価から、期待が大きすぎたのかもしれない。 けれども、聞き続けて曲の最高潮に達したとき、(T_T)状態になってしまった。 抑えていたものが堰を切って溢れ出し、泣き崩れるようなイメージである。 「Memoire」を「(亡き人の)思い出」と訳して聞くとますます感慨が深い。
明後日定演が終わるが、来週の練習からさっそくこの曲に入るつもりである。 ステージでの演奏に使うかどうかは決めていないが、 毎週、1度は練習時間の中で演奏する練習曲にしたいと思う。 美しい響きと表現力を深める練習曲として。。。
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