たりたの日記
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2018年02月05日(月) |
サイモント療法 〜 イメージの治癒力 |
今日はマイクロ波治療で都内に出る日。朝 8時前、夫の通勤に合わせ、一緒に家を出る。 電車を待つ駅のホームから前方に雪を頂いた富士山が美しい。その富士山に顔を向けながら、冷たく、きりりとした朝の空気を深々と吸い込む。わたしは早朝のこの空気が好きなんだと自覚する。 3年間の都内の職場の通勤も、先月からの週2回の治療も、長時間の移動を苦痛に感じないのは、この朝の空気のおかげもあると思う。
今日の治療、すでに2人の方が来ていらした。今日はマイクロ波治療の間、サイモント療法を試みた。サイモント療法というのは、ひとつの心理療法で、ガンが縮小していくのをイメージしながら瞑想をすると、実際にガンが小さくなるという心の作用を利用した治療法。 この治療法については、帯津良一医学博士の著書「ホリスティック医学入門」で知ったが、20年ほど前に、マーティン・L・ロスマン著書「イメージの治癒力」という本に出会い、そのコンセプトに共鳴していた。 イマジネーションの持つ力は大きい。病気だけにかかわらず、生きる事のすべての領域で、何をどうイメージするか、心に描くかで歩みは変わってくる。
さて、治療の場に戻ろう。マイクロ波温熱治療器を背中に当てると、患部が異様に熱くなる。初めての時よりはやや弱まったものの、まだまだそこが焼けるように熱い。皮膚の表面を触ってもそれ程熱くないので火傷する心配はないのだが、その暑さにくじけそうになる。 そこで、熱がガン細胞を必死で攻撃しているイメージを思い浮べ、私自身が戦っているモードにする。もう少し頑張れと戦士達に声をかけたり、そこに癒しがなされるようにと天の軍勢の応援を呼びかけたりと、ただ座って、ONとOFのボタンを押すだけのテレビゲームの中での戦いのようだが、身体に熱という刺激が加わる事で、そのイメージもよりリアルになる。
そんな戦いモードの2時間を過ごし、汗でびっしょりになった服を取り替え、再び寒い戸外へ。なんだか運動をした後のような清々しさ。 通り道にある老舗の佃煮屋さんに寄って、葉唐辛子とアサリの佃煮を買う。ここの佃煮をおにぎりに入れるととても美味しくて、治療の日は佃煮入りのお握りを持参するのが習慣になっている。 お天気もよく、あまり寒くもない。今日は、クラスもないから、バスには乗らず、駅まで30分ほどの道をのんびり歩いた。 毎度の事だが、電車の中では、右に揺れ左に揺れしながらの爆睡。これまでに体験した事のないような乗り物の中での前後不覚の深い眠りもこの治療の故だろう。帰り道がそのままお昼寝の時間に。最寄り駅に降りたった時はすっきりと元気が戻っていた。
今日は、もうひとつ書いておきたいことがある。 先に紹介した「ホリスティック医学入門」の中で帯津氏がサイモント療法のサイモント博士の言葉を引用している。そしてその言葉にはとても納得がいった。 そのままここに抜き出すと、
「病を克服するために、いちばん大切なことは、必ず良くなると自分の心に決めることです。良くなるための鍵は自分のなかにあるのだから、ふたを開けて、これを取り出すのも自分です。決して他人がしてくれるわけではないということ、それをわかっていただきたいと思います。 一方で、目的を達成するための妨げになるのは結果に執着することです。「良くなる」という気持ちは大切ですが、良くなろう、良くなろうとだけ思いつめていると、それが執着になってしまい、かえって結果を悪くしてしまうのです。 それでは、執着しないためにはどうしたらよいか。それは良くなりたいと強く思うと同時に、いつでも死ねるという心の準備を進めておくことが大事なのです。」
ほんとにその通りだと思う。 ところで、今日の治療中、わたしがイメージ療法をしている間、治療を受けている2人の方が、この博士と同じような事を話しておられ、あれっと思った。 「医者からもう手の施しようがないですと言われたわけだから、いつ死んでもいいと思ってるんですよ。でもみんな頑張ってここに来て治そうとしてるんですよね。」 ガンサバイザーの先輩達は吹っ切れた、いい顔をして話しておられた。
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