たりたの日記
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このところ、体調不良に加えて、不眠が続いている。時折りこういう事があるので、医者から軽い睡眠導入剤をもらっている。ところがこの薬を飲んでもぐっすりとは眠れない。 頭の奥がきりきりと冴え切っている。それなのにどこか浮遊感がある。目の前に迫っているイベントやオープンクラスや、コンサートの事が緊張のためか、それとも医者からもらっている風邪の薬のためなのか、自分でもよく分からない。
昨夜は12時にはベッドに入ったものの、2時になってもまだ眠れないので、あきらめて起き出した。喉を痛めていたために、課題になっているテキストの練習もやっていなかったので、深夜に朗読をし録音した。夜中だと外の物音が入らないし、電話やドアベルの妨害もない。こういう長文を一息に朗読するには、今がチャンスだと思った。というより、朗読する事ができるのか、試してみたかった。
まだ声は鼻声で、低めだけれど、この作品はかえって、このくらいのくぐもった声が合うのかもしれないと勝手に理由をつけ、辻井喬著 「故なくかなし」より「幽かな梅」をボイスブログにアップした。
長谷川氏の朗読講座で1月からこのテキストになり3ヶ月、6回のクラスでこの作品を読み味わい、声に出してきたわけだ。前回の講座の時、朗読を誉められた。初めてそれとわかるように誉められたので嬉しかった。その場がそこに見える、その時が読みに出ているというような評価だった。確かに、あの時は、わたしそのものがその教室を抜け出し、梅の香りのする丘の上にいたのだった。不思議な感覚だった。登場人物がわたし自身であるかのような。きっと、そのストーリーの時間の中にわたしが居たのだろう。そしてその「時」が聞く人にも伝わったのかもしれない。
さて、この夜中の朗読は、あの時ほど、うまくいったという感じはなかったが、今回、このテキストでの学びで、一歩前で出ることができたような自覚はある。
そういえば、この前の「死者の書」の時も、冒頭の部分、そして、わたしが好きな13章を朗読させていただいた。有り難い。 良い学びの場をいただいている。
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