たりたの日記
DiaryINDEX|past|will
2008年02月03日(日) |
笛太鼓節分の雪田楽座 |
節分の今日、朝起きてみれば雪だった。 まるで冬の最後の日に、冬がやりのこした仕事をするかのように。 本来だったら嬉しかったはずの雪だが、今日はつくしんぼ保育園10周年記念の田楽座公演の日なので、客足が心配だった。
けれども300席の客席はほぼ埋まり、外の雪のせいか、会場にはなにか囲炉裏端にみなで集まったような心地よさがあった。客席は小さな子ども達から若いパパやママ、お年寄りまで様々な年齢の人達で埋まっていた。
5人の4,5歳児と4人の保育士達の開幕太鼓の響きは素晴らしく、その姿は清々しいかった。 田楽座の公演を観るのは初めてだったが、日本の伝統芸能をしっかりと踏まえた芸や音は心を打つものがあった。
幼い頃は淋しく、空ろに響いていた笛や太鼓のお囃子や、胸を突かれるように哀しい旋律の民謡や、怖くて顔を上げる事もできなかった獅子舞の獅子の顔や動きが今は何とも懐かしく、慰められるものがあった。
けれどそれというのも、幼い頃出合った、民俗芸能の強烈な印象が長い歳月の間、心の中でじっくりと発酵し、また熟していったからなのだろう。今日子ども達は、日本の音や芸能とどんな出会いをしたのだろうか。
「とりさしまい」のひょうきんな動きに声を上げて喜んでいた子ども達、立て物などの曲芸はきっと真似する子達もでてくるだろう。自分達の太鼓よりもずっと迫力のある太鼓に刺激を受けた子ども達もきっといるだろう。
今日開幕太鼓を叩いた4,5歳児達も、大きい子達が叩く太鼓を羨望の眼差しで観ていた2.3歳児達も、このステージの一場面は大人になる間、その後もずっと生き続けるに違いない。
チラシ配り、チケット売り、準備や話し合い、当日の仕事と公演を主催するのはなかなか大変な仕事だが、心地よい疲れと安堵感に満ちている。
明日は立春、春のはじまり。
< 写真:田楽座のパンフレットより> align=right>
|