たりたの日記
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2007年09月12日(水) |
マンハッタンの片隅で |
友人のJから思いがけないメールが届いた。 Jによれば、アメリカに出かけたJの息子のRくんがマンハッタンの片隅を歩いていると、向こうから我が家の長男Hが歩いて来たのだという。 Hは仕事(と、本人からは聞いているが)で1週間ほど前にニューヨークに出かけたばかり。RくんもHも東京で暮らしているが、何年も顔を合わせていなかったというのにたまたま出かけた遠い国の片隅で、まったく偶然にそのバッタリと会うなんて・・・
RくんとHとはアメリカに住んでいた頃、同じ現地の小学校に通っていた幼馴染。Hは小5の時帰国し、Rくんは高校までNYで過ごし、帰国後、Hが通っていた上智の比較文化部に入学してきて再会となり、共通友人もできた。 市ヶ谷にあるそのキャンパスは日本にありながら、彼らが幼い日を過ごしたアメリカの学校のようだった。いろいろな国の学生がいて、Hはようやくふるさとを取り戻したように見えた。
RくんもHもタイプは違うが平均的な20代の若者から比べるとかなり変っている。二人ともいわゆる「人並み」に興味がない。なにか心の底にふつふつとした夢を抱えていて、何とかそれを形にしたいと目を凝らしているという点では二人は似ているのかもしれない。何かを探しているというところも。
そんな一人乗りの舟に乗って海原に漕ぎ出す彼らが、広い海のどこかでバッタリ出会い、「やぁ!」と相手を確認し、そしてまたそれぞれの方向に漕ぎ出してゆく・・・ そんな絵が浮かんできて、何か胸が熱くなった。
行きなさい、それぞれの若者達。 あなた達がバッタリ出遭ったというのは、きっと神様のちょっとしたいたずら。 先は見えなくても、その歩みを見守る目が在るという事。 彼らがそう感じたかどうかは分からないが、 少なくとも、時々心配になる母にはその事がひとつのしるしのようでうれしかったのだ。
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