たりたの日記
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2007年07月19日(木) 明け方、焼き走り溶岩流の中に






























夜は明けたばかりだった。
鳥の声ののどかなケビンを抜け出し
露に濡れた草を踏みながら早足に歩く。
行かなければ
見ておかなければ
―焼き走り溶岩流―
夢の中でも心は急いでいたらしい
4時にはもう目覚めていた。

入り口の階段を駆け上がると
そこには不気味な風景が開けていた。
どこまでも真っ黒な溶岩流の海原。
遠くに一本だけ立っている松のシルエットは痛々しい
賢治がみつけた二種類の苔というのはこのことだろうか
黒い石の上にうっすら緑を帯びたものがある。

この観察路の終わりにあるという
宮澤賢治の詩碑までは歩いてみよう。
誰もいない、植物すらないということの不気味さ
溶岩流の上にはまだ夜の夢が張り付いているようだ。
朝だというのに、闇の中を
それも黄泉の国の闇の道を歩いているような心持だった。


<2007年7月1日。この前日岩手山に登り、この日の朝、早池峰山に登る。>





























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