たりたの日記
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2006年12月29日(金) |
朝焼けの川面を眺めながら |
父のいる老人施設の朝食は朝7時50分。朝食の介助をするために朝7時に自転車で家を出る。手袋をしていても指の先がしびれてくるような朝のサイクリングだが楽しみなのは川と山と空が創りだす、この時間の絵。
山の上には朝焼けの空が広がり、川面にもその赤い色が映る。見ている間に光の具合も変わっていくから、しばらくはそこに立ちすくんで見入ってしまう。
おっと大変、遅れてしまう。 しばらく走ると登り坂。 ここはジムのトレーニングのつもりで。寒いのにじっとりと汗ばんでくるのは山登りのようだ。
いよいよ手が冷たくて耐えられなくなった。 脇のコンビニに飛び込み、暖かいペットボトルを買う。飲むためではなく、かじかんだ手を暖めるため。そのじんわり暖かくなってほっとする喜びの感覚。 やっぱり冬はこうでなくては。
埼玉にいると忘れてしまう、この山に近い土地のきりりとした澄んだ冷たさがなつかしい。
何とか朝食の時間に間に合う。施設の広いホールにはたくさんの老人達が朝の食事を始めるところ。「お父さん、おはよう!さあ、ご飯を食べようよ」 父はわたしの事は分からないけれど、笑顔を向けてくれる。わたしは勝手にいろんな事を話しかける。聞いているのは目の前にいる父ではなく、すでに天上にある父の魂のような気がする。
いずれにしろ言葉ではない何かが流れ合う。それはさっき交感してきた朝焼けの川面と同質のものかもしれないと思う。祈りのような・・・
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