たりたの日記
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2005年05月14日(土) 滝子山山行



勉ゼミ(遊山倶楽部)での滝子山山行。今回は前回ダンスチームで行った三ッ峠とは対照的で、山からの眺めというよりは、山の中がすばらしくよかったのです。新緑は眼が覚めるように美しく、また山頂まで30分ほどの地点まで山道は大鹿沢に沿っているので、沢の流れの心地よい音と共に歩く事ができ、美しい滝もいくつか見ました。

気分はサウンド・オブ・ミュージック。川の側を行く時などは、まさに、
♪To laugh like a brook when it trips and falls over stones on its way♪ ( 石の上に落ちては旅する小川のように笑って)です。

2箇所ほど、足元がぬるりとする細い丸木橋を渡る場面があり、ちょっとスリリングでした。ま、すべって落っこちたとしても、ズボンをひざくらいまで濡らす程度の事なのですけどね。

頂上近くになると、下草をきれいに刈った、緩やかな丘のようなところが開け、ここはまさに 
♪The hills fill my heart with the sound of music. My heart wants to sing every song it hears ♪(丘は私の心を音楽の音で満たす。私の心は、心が聞き取るすべての歌を歌いたい)の気分。


メンバーは女性5人、男性5人。そのうち5人は初めてお会いする方々でしたが、中に山野草にとても詳しい方がいらして、行く先々に咲いている花や珍しい植物の名前を教えてくださいました。
延齢草、黄ケンマ、破れ傘、走り草、トリカブト、豆桜、春りんどう、アブラチャン、地獄の釜の蓋、ひとりしずか・・・まだまだありましたが、とても覚えきれません。

中でもとりわけすてきだったのは、山ツツジでした。滝子山の山頂から少し下山したところで急にガスってきたのですが、その白い靄の中に、濃いピンク色の蕾を無数に付けたツツジの木が浮かび上がっていました。わずか一つか二つ、花が開いて後はちょうどキャンドルのような格好で枝枝に蕾がついていて、もう今にも咲きそうな様子。この時期の花が内に秘めているエネルギーのようなものが伝わってきます。携帯でこの花の写真を撮ったので、夜にでもやり方を教わって、この日記に写真を貼り付けられたらと思います。


さて、先に山の様子の事を書きましたが、実はこの朝、ちょっとひやひやするハプニングがありました。
ここ数日間、早起きする練習をしていたので、朝は4時に起床し、お握りなども作り、ゆっくり朝食も取り、余裕で5時半に家を出て、同居人mGにJR北上尾駅まで車で送ってもらいました。ここから5時59分発の湘南新宿ラインに乗れば、乗り換えなしで新宿に6時46分に付きます。7時発の京王線に乗れば、仲間と合流できるので、ここまで来ればもう何も心配ないという気持ちで、mGに手を振り、意気揚々とホームへの階段を駆け上がったのです。

ところがです。人身事故のため、高崎線は始発から動いておらず、ダイヤは大幅に遅れるとのこと。こんなことなら乗り継ぎ覚悟でシャトルの始発5時48分に乗るのだったと思いましたが後の祭り。考えられる方法はシャトルの駅までタクシーで戻り、大宮→新宿。しかし、どうがんばっても7時の京王線は無理。こうなれば、特急を利用する他ありません。新宿発7時30分発の特急あずさ3号で大月まで行き、そこで乗り換えて笹子駅へ。集合は笹子駅に9時なので、大月で仲間と合流できるはず。もしもの時に備えて特急の時間もメモしておいてよかった。

しかし、早朝のためか駅前にはタクシーが一台もありません。mGへの携帯もつながりません。今日の山行きはあきらめるしかないなと思っていたところへタクシー。運転手さんも窮地を察してくれ、急いでくれました。6時5分発の電車に駆け込み乗車。ふうっ・・・この電車に乗り遅れればアウトでした。

埼京線で新宿へ。もう仲間は高尾へ向かっているはずなので、ひとり特急を待っていると、すぐ眼の前に見覚えのある横顔。3月の山行きでごいっしょだったTさんではありませんか。あれ以来、Tさんの書かれた内村鑑三とバルトについての著作をかなり集中して読んでいるところで、さまざまに刺激を受けていたので、その著者と会えるとはラッキーでした。Tさんが今回の山行きに行かれることは知らなかったのです。Tさんの書かれたバルトの本を通じて、バルトへの入り口が見えてきた事、日頃キリスト教に感じている問題やジレンマのようなもの、そのもつれた糸が解きほぐされるように感じている事、バルトの言う「弾孔と空洞としてのイエス」は眼から鱗状態だったということなど話したことでした。

バルトを長年翻訳してこられたY先生から、この本はあなたの生涯において最上の書物の一つになるでしょうと言って手渡された「カール・バルト「キリスト教倫理学総説」は途中まで読んでそのままになっていたのですが、今度は読み進められそうです。きっと最上の書物の一つになる、そんな予感がしてうれしい気持ちになります。

そうでした。山頂での宴会の事も記しておきましょう。みんなが持ち寄った食べ物でなんだかずいぶんなご馳走でした。フキの佃煮、ぬた、煮卵、きのこのお料理、ゼンマイと干し筍の煮物、他にもいろいろありました。お酒もワイン、ズブロッカ、泡盛、ウイスキー、麦焼酎。わたしは下りがまともに歩けるかどうか心配だったので、どれも少しづつ、合わせて100ccほど飲みました。それでもけっこう良い気分。登りの4時間に比べると、3時間半の下りはすいすいと駆け下りる感じで楽にゆきました。

一行はその後宴会へ。わたしは何とか8時15分のラテンに間に合うべく、新宿から北上尾へ直行。けれどもラテンには10分遅れで間に合わず、ジムのお風呂とサウナでゆっくりし、ラテン踊っているmGを待つことにしました。サウナで、クラスを終えてきたダンスの方の登山隊隊長のSさんにバッタリ。次の山行きの話です。6月4日両神山。早朝の出発で、山から戻ってきてラテンも踊るという計画。これはすごいかも知れません。


<今回のコース>

笹子駅 9時出発→ 吉久保 → 道証地蔵 → すみ沢経由 → 滝子山(昼食休み1時〜2時半)→ 桧平 → 藤沢 → 初狩駅から5時38分発中央線で戻る


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