たりたの日記
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さて大分滞在は3月28日より4月2日まで。 大分での最後の夜は、母親と別府に一泊した。 午前中父の病院へ行き、その足で別府へ。午後からゆっくり温泉につかりながら話込み、その後、カラオケへ。母はカラオケルームは初めて、マイクを持って歌ったのも初めてだったようだ。そしてホテルの居酒屋で3日のわたしの誕生日を祝っての食事。肝臓が悪い母はアルコールは飲めない。そして「焼酎をお湯割りで」と注文するわたしにあきれていた。そういえば、この暮れに帰省した時はまだ焼酎にハマる前だった。
翌日、飛行機は午後4時半の便なので、3時に別府駅を出る空港行きのバスに乗ればよい。母は温泉は疲れるからもうどこにも寄らずに家に帰るというので、わたしひとりで温泉巡りをすることにした。
まず、早朝7時前に、ホテルから徒歩10分のところにある別府温泉の看板のような木造建築の古い昔ながらの温泉、竹瓦温泉へ。この前の冬の早朝にもこの温泉に来たが、その時に顔を合わせたおばあちゃん達がやはり数人来ていて、その時のように親し気に話しかけてくれた。4月1日から3日までは温泉祭りという事で、市営の温泉はすべて無料。もともと100円かそこらの入浴料ではあるものの。その恩恵に与ることができてうれしかった。
ホテルに戻りゆっくり朝食を取った後、母を駅に見送り、わたしはバスで30分ほどのところにある明礬温泉へ。超名湯とされている無料の共同温泉、地蔵泉に入るべくやってきたものの、今地蔵泉はお湯の温度が下がり、閉められているということ。「大分の極上名湯」という本を頼りに、もうひとつの超名湯、山田屋旅館の温泉を訪ねる。そこは昔ながらの小さな湯治宿で、温泉小屋は宿から少し離れたところにある。全くの小さな小屋で、そこは共同風呂のように人もいない。入り口が一箇所しかないから、もしかして混浴?と思いきや、入り口を入ると内側に男湯と女湯に分かれた戸があってほっとする。
男湯の入り口には大きなスニーカーが一足だけあった。ということは男湯に先客が一人いて、女湯には誰もいないということだ。さて、戸を開けて入ったものの、戸には鍵がかかっているわけではない。誰でもガラリと戸を開けて入ってくることは可能だ。しかし、バッグを持って風呂の中へ入るわけにも行かないので、狭い脱衣所の籠の中に、バッグも服も入れ裸になって風呂の戸を開けると、ぎょっ・・・確かに入り口は男湯と女湯に分かれていたが、中に入ってみれば、湯船はひとつ。その真ん中に仕切りがしてあるものの、木の古い柵のようなものだから、木と木の間には隙間があって、微妙に向こうが見えるのだ。人が2人も入ればいっぱいになるような小さな湯船である。ついたての向こう側にいる客がお湯に入っているので、お湯の表面は音をたて波打っている。お湯をくぐれば、向こう側へも行けるという作り。ほとんど混浴。これで複数の入浴客が居れば気にもならないが、二人だけである。どうしたものかとしばらく佇む。
しかし、超名湯と言われるだけあって、少し緑がかってとろりとするようなお湯は見るからに極上の湯といった感じだ。すでにお金も400円払っているのだし、またいつ来れるとも分からない。入らずに帰ればきっと悔いが残る。この際、もう女であるとか男であるとか考えるのはよして、とにかくこのお湯に浸ることだけに集中しようと腹を括り、息を詰めるようにして、柵の方に背中を向けたまま、お湯の中に入る。うむ・・・がツンと掴まれる感覚。やはりいいお湯だ。これほどの緊張と居心地の悪さをしても、お湯の良さがひしひしと伝わって来る。すぐ側にいる男性のお湯に感嘆しているらしい溜息がはっきりと聞こえる。わたしは息を殺したまま、そっと、お湯に出たり入ったりを何度か繰り返し、30分ほどそこに居た。今度はもっとセキュアな気持ちでこの名湯を心行くまで味わいたいと思った。
さて、そこを出ても、もう一箇所くらい回れる時間はある。明礬温泉まで来る途中にあった鉄輪(かんなわ)温泉まで行って、その温泉地の超名湯とされる 鬼石の湯へ行く。こちらは最近になって改装された温泉らしく、今時のスーパー銭湯や温泉のように広いスペースに大きな内湯と2種類の露天風呂もあり、風呂の脇においてあるリクライニングの椅子や植え込みの木々はゆったりとした気持ちにさせてくれる。先ほどの温泉とはえらい違いだ。 良い温泉だということは身体の反応で分かる。温泉の強いエネルギーが細胞に染み渡る感じなのだ。そしていつまでもお湯の中にいたいという気持ちになる。今日のように時間に制限があるのはなんとも残念でもったいないが、しかたない。一時間ばかりそこでゆったりと湯に入ったり、出たりを繰り返してから、帰りのバスを掴まえ、別府駅へ。
帰り、温泉祭りのためか道路が混んでいてバスはなかなか駅に着かない。ようやくバスから降りた時には、大分空港行きのバスが目の前を過ぎて行った。まずい、このバスを逃すと飛行機も逃がすことになり兼ねない。変更の効かないパックの航空券だ。なんとしてもバスに乗らなければ。旅行バッグを肩に担ぎ、ダッシュ。道路が渋滞していたのが幸いだった。信号待ちしているバスに追いつき、乗車ドアを敲くと、ドアが開き、中へ入れてもらえた。ほっ・・・ここが九州のバスの良いところ。何とか予定の飛行機に乗り込むことができた。
さて旅モードを切り替え、羽田からの電車の中ではR&Bとラテンの曲を繰り返し聴きながら、頭の中でダンスのおさらいをする。電車はいつの間にか、ジムのある北上尾駅に着き、そのままスタジオへ駆け込む。8時15分からのラテンのクラスに間に合った。やぁ、mG、みんな、おひさしぶり!
本日の仕上げはジムのサウナと今日4度目の風呂。旅の話をしながらmGと飲むビール。
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