たりたの日記
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| 2005年01月14日(金) |
「木挽・刻 」を飲みながら読む「時間」 |
酒とは時間の流れを、あるいは時間への意識を変えるものなのかもしれないと、今年になってやおら酒に目覚めた(?)わたしは生意気な事を考える。
そもそも酒という飲み物に接近したのも、吉田健一著「酒宴」を読んだからかもしれない。ゼミの課題で手渡されたこの小説を手にした時は、そのタイトルからして自分とは無縁な世界だなと思った。ところが読んでみると思わぬ発見があり惹かれた。発見というよりは、入り口とでも言った方がいいだろうか。わたしの知らぬ世界への入り口がそこにあり、明らかにわたしはそこに誘われていた。単に酒を飲むとか酒宴に加わるとかそういうことではない。「時間」から支配されない「時間」の中に身を置くということ。うまく言葉にはできないが、わたしが得ていないひとつの時間との付き合い方、ひとつの解放がそこにあると思った。
吉田健一という作家を知らなかったので、アマゾンで著書を調べ、作者の晩年の著書「時間」を注文した。今夜、ジムでファンクを踊って戻った遅い夜、熟成貯蔵した「木挽・刻」こびき・きざみ(宮崎芋焼酎、米麹作り)を飲みながら、「時間」を読む。難解でどの文章もすんなり理解がゆくという訳ではないが、そこで語られている「時間」に惹かれて、とうとう時間を忘れてしまった。もう深夜の2時。朝までこうしていたい気持ちはやまやまだが、時計の刻む時間に戻って寝るとしよう。
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