たりたの日記
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今日は、父が入院している病院 へ、母と行く。 父と会話はできないけれど、父がゆっくりとスプーンを口にもってゆく仕草をいい気持ちで眺める。その独特なリズムは昔ながらのもので、より父らしい気すらする。知識や思考や意思や記憶や、そういうものが何も無くなっても、その人らしさというものがあり、人間は愛らしいものんだなあと思う。ずっと父の手を取り、背中をさすたりする。けれど、こういうことって、もし父が痴呆になっていなければ、とってもできるものではないなと思う。。 いろんなものをすっぱり取り除いた父とこうして向かいっていることは不幸ではない。
父がお世話になっている、病棟に「育つ日々」を 差し上げた。看護婦さんが、「この本で、元気な頃のお父さんを知る事ができますね」と、言ってくださり、うれしかった。
昨日の夜と今日の夜、母のテレビに付き合いがら、辻仁成の短編集「目下の恋人」を読み上げた。わたしと重なる世界はそこにはないのだけれど、わたしはわたしでわたしの過ごしてきた愛や恋や、その一瞬や永遠を思い返し、いい読書の時間を過ごしたと感じた。
さて、持ってきた辻氏の本はみんな読んでしまったけれど、明日は何を読もうかな。。
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