たりたの日記
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2003年09月16日(火) 旅のバックの中からうさぎを二匹取り出して

しばらく家を離れていた。

九州に住む母が金沢に住む弟のところへ行くというので、わたしも合流したのだった。弟のところに生まれた三男にわたしは生後4ヶ月くらいの時に会っているが、あれから一年半ほどのうちにすっかり様子が変っていた。寝たままだった赤ん坊が部屋の端からものすごい勢いで走りまわる。そして口元をかすかによがめたその表情。

いつも赤ん坊を見るたびに思うのだが、わずかに1、2年かそこいらのうちにもうすでにどんな魂を持った人間なのかその基盤のようなものがすっかり見える。言葉さえまだ口にしないというのに、その人のエッセンスともいうべきものがすでにそこにあるということがなんとも感慨深い。11歳の長男も10歳の次男もずんずん大きくなっていく。成長の過程にある甥っ子達と僅かな時間を共有する。今度はいつ会うのだろうか。いずれにしろ、今の彼らはもうその時には存在しないのだ。

今朝、旅のバッグの中から、クッション材で丁寧にくるんた焼き物のうさぎを二匹取り出した。人指し指ほどの大きさのうさぎ達は両手を広げてあきらかに踊っている。わたしがつい何日か前に書いたうさぎ達がここに繋がっているような気がした。そのうさぎは長男のYが通っている造形教室のアトリエに売り物として置いてあった。わたしはそのうさぎ達に独特の親近感を覚えてしまい、何としても家に連れてかえらねばという気持ちで、ひとつ800円のうさぎを二つ求めたのだった。

この踊る二匹のうさぎたちは今回の旅をいつまでも記憶にとどめる働きをしてくれるような気がする。





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