たりたの日記
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2003年06月24日(火) たしかに種はまいたのだったが

たしかに種はまいたのだったが、それも一月も前に。
ゴマほどの小さなつぶつぶえを一袋ぜんぶまいたから
少なくとも50個の芽が出ていていても良いはずだった。

バジル、そう、今までバジルには裏切られたことはない。ほとんどまいた種すべてが発芽した。ふつうはそこで間引きをするのだが、私はどの双葉も引いて捨てることができずに、割り箸で丁寧に、まだ一本くらい出ていない根を途中でちぎれないように、その乳幼児のようなバジルを土から取り出しては、別のコンテナや花壇の隅に移植した。

それだから夏ともなれば、庭のあちこちからバジルが顔を出す。風もバジルの匂いになる。そんなにたくさん食べられないって?いえ、いえ、バジルの使い道はいかようにも。乾燥させたり、冷凍したり、バジルペーストを作るとなれば、バケツ一杯ほどのバジルの葉っぱがほしいところ。

あぁ、たしかに種はまいたのだった。
ぜんぶがぜんぶ、お腹の空いた小鳥たちに食べられてしまったのだろうか。
ぜんぶがぜんぶ、古い売れ残りの不良品だったのだろうか。
それともぜんぶがぜんぶ用心深くて、一番良い発芽の時期を待ちながら、息を潜めてうかがっているのだろうか。

バジルは気温が高くなければ発芽しない。
梅雨が過ぎて、ぎらぎらの陽射しが届くあたりまで待ってみようか。





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