たりたの日記
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2003年05月09日(金) |
ジャズにのって寿司たちはくるくると回転していた |
最近は、家族4人で外食することもなくなり、焼肉の食べ放題などとはすっかり縁がなくなった(数年前は育ち盛りの子ども達と張り合って食べたものだったが)ファミレスさえもあまり選ばない。だいたいが夫と2人。ジムに行く前とか買い出しの帰りとかに手っ取り早く食事を済まそうというノリだから、もめることもなく、ラーメン屋か回転寿司ということで話しが決まる。回転寿司はヘルシーだし、量も自在に調節できるし、ダイエットを心がけている我々にとっては便利な食べ物だ。わたしはガリが事の他好きなので、作るとすれば手間隙かかるこの生姜の甘酢漬けが食べ放題というのはある意味寿司より魅力がある。
昨日、「ここにしようか」と車を止めた回転寿司屋は初めて入る店だった。店に入るなり、これまでに行ったことのある回転寿司屋とはちと赴きが異なることに気づく。まず店構えが黒を基調にしたシックなデザインで、壁やカウンターや待合席は天然木を意識的に使っている。寿司屋というよりはしゃれた洋風居酒屋の感じ。店内は薄暗く、間接照明が落ち着いた雰囲気を出している。これが行き過ぎるとまたイヤミなのだが、あくまで回転寿司屋の気安さを失っていないところで成功している。そして、あれっと思ったのが店に流れている音楽。それはジャズだった。
最近はジャズを流しているラーメン屋はそれほど珍しくなくなったが、ジャスの流れる回転寿司屋は初めてだった。音楽は空気を作る。そこにジャズが流れることで、寿司というこよなく日本的な食べ物が伝統や文化といったものからすっと解き放たれ、ひとつのエスニック料理のようなテイストが生まれる。日本の外から日本を見たような感覚。実際、そこには肉や野菜を使ったユニークな創作寿司がお皿にのっかって楽しそうに回転していた。ニューヨークのビレッジの寿司屋をくぐった時の新鮮な印象を思い出した。
「ラーメンとジャズも合うけど、寿司とジャズも合うよねえ。」 「演歌よりかよっぽど合う。」 と我々はすっかり気をよくしたが、しかし、これは単に夫も私も演歌が嫌いでジャズが好きだからであって、演歌好きのジャズ嫌いという人であれば、 「どういうわけで日本の食い物に日本の音楽を使わないんだ!」と苦々しく思うのかもしれない。 ま、我々としては、健康的で安く、その上雰囲気も悪くない食べ物屋を新しく見つけることができてよかった。
そういえば今日はつくしんぼ保育室の遊ぼう会。保育園児と英語とジャズというなかなかない組み合わせだ。
Be a wind . Be a butterfly. 「風になろう、今度はちょうちょよ」
2歳児、3歳児のおちびさんたちがWさんの弾く即興のジャズっぽいフレーズをバックに、風になったり、ちょうちょやみつばちになったりしてくるくる回転しているのはわくわくする風景。
ついでに今書きながら聞いている音楽はEddie Higging Trio の「Dear Old Stockholm」 ピアノとベースとドラムの軽やかで優しい音が独りの夜を豊かに満たしてくれる。
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