たりたの日記
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2002年04月24日(水) |
映画「コレリ大尉のマンドリン」 |
マンドリンという楽器は、何か先入観のようなものがあって好きではなかった。しかもそれを大尉が奏でるというのもなにかかったるい感じがして、シアターでかかっていた時には観なかったのだが、ビデオになっていたので借りてきた。
ニコラス・ケイジという俳優はこれまでもこんなに美しい眼差しをしていたのだろうかと思うほど、目の光の美しさが印象的だった。イタリア人の軍人の役をそれなりによく出していたがイタリア人ならもう少しアグレッシブで遊び人の感じだろうと思うが彼の誠実さがそのままでていてそれはそれで好ましいと思った。
ところでこのマンドリンがなかなか良かった。婚約者のいるギリシャ人の娘への想いを音楽に託して伝えるのだが、音楽はしばしば言葉よりも大きな力を持つ。娘の心に変化が起こる。そして娘はマンドリン弾きへの想いを情熱的な踊りで伝える。自分の感情を押し殺していた娘はそばにいた兵士をダンスに誘い、みなが見ている中でひときわ華麗に踊ったのである。心は真っ直ぐにマンドリン弾きに向けて。
音楽、そして踊りは、人に日常を飛び越えさせ、国境も、立場も越え、たったひとりの人間として、相手と向かいあうことを促す。 娘の父親は言う。 「熱にうかされたような時期はやがて終わる。その後に残るものが愛だ。」と 戦争にひきさかれた二人だったが、時を経て、兵隊はそのギリシャの村へ戻ってきた。お互いに長い年月お互いを必要としながらも、一人で行きようと孤独に耐えてきたのだった。再開。そこからはじまる新しい物語のことを思った。
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