たりたの日記
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長男から電話が入る。 終電で帰るから鍵開けといて。 それで何時なの。 12時半くらいかな。 そのくらいなら起きてるよ。 12時半に帰って来るわけないよ、いいよ鍵開けたまま寝て、と夫は珍しく私より先に寝室へ引き上げた。
夫の言った通り1時半を過ぎても息子は帰ってこない。しかし、もう最近はこんなことで腹が立ったり、おろおろと心配したりすることもなくなった。 人間は順応する。それがいいか悪いかは別として。 いいわ。もうお風呂に入って寝よう。夫は銭湯に行ったし、次男はシャワーだったから今日はお風呂にお湯が張っていない。そうだ、こんな時にとっておきのはなびらのお風呂にしよう。クリスマスにMさんからいただいたはなびらの入浴剤。透明のプラスティックのケースにきれいな色のはなびらの形のせっけんがたくさん入っている。
バスタブに3分の1ほどお湯を張ってさらさらとはなびらの形のせっけんを入れる。いろんな色のパッケージがあるが、今日はブルーのはなびらを選んだ。お湯の上にブルーのはなびらが浮かぶ。しばらくはお湯の上にぷかぷかと浮かぶはなびらを楽しんでから、さらに勢いよくお湯を入れるとはなびらがみるみる泡になってバスタブは泡風呂になる。小さい頃、「奥様は魔女」か何かで見たようなあんなふわふわシャボン玉が飛び交うような豪華な泡とではないけれど、ちょっと贅沢で、豊かな気持ちになる。ついでにアロマキャンドルを灯すんだったな。
キャンドルの火は不思議、たちまち瞑想へと誘われる。そういえば、年末年始にかけて、瞑想とは程遠い生活をしている。 瞑想といっても自己流のものだが、一口でいうと限りなく自分に降りていく。いろんな煩いごとや、ネガティブな思いをろ過すし、底へ、底へと降りていく。そんな場所に思ってもみないような心地のよい空間がある。それはいきなり開けた平地のように自由で広々としている。静かなよろこびがひたひたと満ちてくる。
お風呂にゆっくり入って、もう日記もおしまいにしようというのに息子は帰ってこない。心配の虫が騒ぎ始める前にさあ寝よう。神様、あとはあなたにお願いです。どうぞ危険からお守りください。鍵は開けたままですから泥棒からもお守りください。 ではおやすみなさい。
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