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クラス - 2001年12月03日(月)





その男はどこにでもいる奴です。

今入った学校で初めて知り合った奴でした。


最初の頃。
私は3組で、彼は2組。
一時期、うちのクラスでカワイイと彼は有名になった。
廊下を通る時に彼が通ると、うちのクラスの女どもが彼に手を振ったりしている時があった。

その時は、僻みの如く彼のクラスの男が
「お前、調子ずいてんじゃねぇーよ。」
とか言って、彼をハブいたりしていた時期があった。
私はその時、彼をバカにしていた奴らはガキくさいといって笑っていた。


まぁそんなことがあったんだよ。
けど彼は別に落ち込むわけでもなく、他の奴らとつるんでた。


それから彼の人気が薄くなって、彼に手を振ったりするような奴も、
私くらいになった様な気がする。


それから、彼としては結構楽しい時期だったんだと思う。

他の誰かから嫌われているかもしれなかったけど、
彼は彼なりに楽しんで生活していたんだと思う。

まだその時は笑顔があったんだ。









それから最近になって、彼のイジメがまた始まる。


理由は知らない。
私は彼と同じクラスじゃないから、イジメのひどさもどのくらいか知らない。

実は、彼がまたイジメをうけているのを今日知った。
彼と前、学校が同じだった子と今仲がいい。
彼の話しもたまに出てくる。

彼の話しをしていて、今日初めて彼のイジメを知ったんだ。




「大丈夫?」
2組の教室の前の廊下で彼に会った時、聞いたら苦笑いしてた。



ホントに心配だった。




「おい!これ、机に置いとけよ!!」
廊下の端の方にいた彼と同じクラスの女が、大声を張り上げて彼に言った。
勢いよくバックを投げてくる。

彼の足元近くまでバックが届かなくて彼はバックを拾いに、
教室の後ろのドアで止まったバックの近くに歩み寄った。




彼の背中が泣いていた。





彼はバックを拾うと淋しそうに教室に吸い込まれていった。


「可哀想…。」



私は小さく呟いた。




バックを投げ付けてきた女は、彼をパシりにしていた女。

イジメを再開させたのもあの女だった。








...

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